これまでで最遠、105億年前の超新星を発見

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詳しく観測された超新星としてはこれまでで最も遠い、105億年前の超新星爆発がサーベイ観測プロジェクトで発見された。

【2018年2月26日 ポーツマス大学

英・サウサンプトン大学のMathew Smithさん、英・ポーツマス大学のBob Nicholさんたちの研究チームが、チリのセロ・トロロ汎米天文台で行われているプロジェクト「ダークエネルギーサーベイ(DES)」で2016年8月に得られた観測データから、ろ座の方向に超新星DES16C2nmを発見した。

同年10月にチリ・ヨーロッパ南天天文台のVLTやラス・カンパナス天文台のマゼラン望遠鏡、ハワイのケック望遠鏡などでこの超新星の分光観測を行ったところ、超新星の赤方偏移が1.998であることが判明し、これまでに距離が測定された超新星の中では最も古く、最も遠い距離で起こったものであることが明らかとなった。年代に換算すると、今から105億年前に起こった超新星爆発に相当し、その爆発の光が宇宙年齢(約138億年)のおよそ4分の3もの時間をかけて遠方から地球に届いたことになる。

超新星DES16C2nm
超新星DES16C2nm。(上)爆発前(2015年9月15日)、(下)爆発後(2016年9月29日)(提供:Mat Smith and DES collaboration)

分光観測で得られたスペクトルからは、この天体が超高輝度超新星(superluminous supernova; SLSN)と呼ばれる非常に珍しいタイプの超新星であることもわかった。SLSNは超新星の中で最も明るく、また数が最も少ないもので、最初に発見されたのはわずか10年前だ。大質量星が一生の最後に超新星爆発を起こすと、中心に中性子星と呼ばれる超高密度の天体が作られる。できたての中性子星に向かって物質が落ち込むことで非常に明るく輝くのがSLSNだと考えられているが、詳しい性質はまだわかっていない。

「史上最古の超新星を発見することができ、興奮しています。DES16C2nmは天文学者が毎日出くわすようなありふれた天体とは全く違います。この超新星がこれほど遠くの宇宙で見つかったことで、SLSNの正体について新しい洞察が得られることでしょう。SLSNから放射される紫外線を分析すると、超新星爆発で作られた金属元素の量や爆発の温度を知ることができ、SLSNがどのような原因で引き起こされるのかを理解する手がかりになります」(Smithさん)。

「研究の次のステップは、さらに遠くの超新星を見つけて、この現象の細かな違いや発生頻度を決めることです。今回の研究によって、さらに遠い距離でこういった超新星を発見する手法についてもめどが立ちました。現在DESプロジェクトの一環として、この種の現象をより積極的に探索しています」(サウサンプトン大学 Mark Sullivanさん)

2013年にスタートしたDESプロジェクトの主な目的は、宇宙の加速膨張の原因と考えられているダークエネルギーの正体について情報を得ることだ。南天の5000平方度(全天の約1/8)にわたる領域を5種類の色フィルターでサーベイ観測しており、これまでに合計525夜の観測で約3億個の銀河のデータを得ている。さらに、より狭い10か所の領域を6日ごとに繰り返し観測し、数千個の超新星やその他の短時間現象を発見、分析している。

「私たちがDESプロジェクトを開始した10年以上前には、今回のような超新星が存在することは知られていませんでした。このような発見があると、経験科学がいかに大事であるかがわかります。驚くべき発見をするためには、外に出て実際に空を見上げてみなければならないのです」(Nicholさん)。