4種類の光点が示すケレスの地質活動

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ケレスの表面には数百か所の明るい領域が見られる。大きく4種類に分けられる領域の形成過程や時間変化の研究から、ケレスが地質学的に活発な天体であることが示された。

【2017年12月19日 NASA JPL

NASAの探査機「ドーン」は2015年3月以来、準惑星「ケレス」の周回探査を行っている。全体的に暗いケレスの表面には、明るい物質が存在する領域がこれまでに300か所以上見つかっており、それらは、4つのカテゴリーに分けられている。

明るい物質の位置を示した地図
「ドーン」が発見した300か所以上の明るい領域の位置を示した地図。(赤)クレーター内部、(緑)クレーターの縁や壁面、(青)クレーターを覆う噴出物の中、(黄色)アフナ山の側面(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/PSI/Caltech)

1つ目のカテゴリーは、クレーター内部に発見されている反射率の高い物質を含む光点で、その代表例は「オッカトル・クレーター」に見られる非常に目立つ2つの領域だ。2つのうち、クレーターの中央にある「ケレアリア・ファキュラ(Cerealia Facula)」はケレスで最も明るい領域で、幅10kmのくぼみが明るい物質によって覆われており、内部には小さなドームが存在する。もう1つはクレーターの中央東寄りにあり、ケレアリア・ファキュラよりもやや反射率が低く拡散した構造の「ウィナリア・ファキュレ(Vinalia Faculae)」である。これらの明るい物質は塩を豊富に含む物質からできており、過去に一度水の中で混ざった可能性があるようだ。

オッカトル・クレーターの透視図
ドーンがとらえた画像から作成された、幅約90km、深さ約4kmのオッカトル・クレーターの透視図。(中央)ケレアリア・ファキュラ、(左)ウィナリア・ファキュレ(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)

最も多く見つかっている2つ目のカテゴリーは、クレーターの縁に発見されている明るい物質で、クレーター内部に向かって筋模様を作っている。表面下に存在していた物質か、あるいは以前の天体衝突で形成された物質が、その後の天体衝突で露出したものとみられている。

3つ目のカテゴリーはクレーター形成時に噴出した物質中に発見される明るい物質だ。そして4つ目のカテゴリーはクレーターとは関係のない、ケレスに存在する孤独な高い山「アフナ山」の周辺のみに見られる明るい物質で、氷火山とみられるアフナ山の側面に筋模様を作っている。

「これまでの研究から明るい物質は塩でできていることが示されています。表面下の流体活動によって明るい物質が表面に運ばれ、光点の一部が形成されたと考えています」(米・カリフォルニア工科大学 Nathan Steinさん)。

ドーンによる明るい物質の発見に関する動画(提供:NASA)

これらのうち、とくにオッカトル・クレーター内の2つの光点にはっきりとした違いが見られる点についての研究が進められている。有力な説によれば、オッカトル・クレーターの地下に塩を含む水が少なくとも最近まで溜まっており、それが割れ目を通じて表面に近いところまで運ばれたのかもしれないという。ウィナリア・ファキュレの場合、水の中に二酸化炭素やメタン、アンモニアなどの揮発性物質が溶けており、シャンパンの栓を抜いた時のように表面に噴出する際に氷や塩の粒子が地下から運ばれ地表に積もったということだ。

ウィナリア・ファキュレよりも盛り上がっていて明るいケレアリア・ファキュラの明るい領域は、多少異なるプロセスで形成されたのだろう。氷の溶岩のようなものが割れ目から沁み出てきて、ひと回り大きい丘となったのかもしれない。

「人々の興味を引き付けてきたケレス上の謎めいた光点から、過去ケレスに存在した地下海の証拠が明らかになり、ケレスが驚くほど地質学的に活発であることが明らかになってきました。光点を作り出した地質学的プロセスは今も、ケレスの表面を変えつつあるのかもしれません」(ドーン・ミッション主任研究員 Carol Raymondさん)。

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