あと3日、探査機「カッシーニ」との別れ
【2017年9月12日 NASA JPL】
1997年10月に打ち上げられたNASAの土星探査機「カッシーニ」は、2004年の土星到着以降13年にわたって土星本体や環、衛星の探査を行ってきたが、いよいよ別れの時となる土星大気への突入が3日後に迫った。
カッシーニからの最後の信号が地球に届く予定時間は、現時点では日本時間の9月15日(金)20時55分となっている(多少変わる可能性もある)。地球から土星までの距離が約15億kmあるため、カッシーニから最後の信号が豪・キャンベラにあるNASAのディープスペースネットワーク局で受信されるのは発信から約83分後になる(つまり、実際には83分前には最後の信号が発信されていることになる)。
カッシーニの最終ミッション「グランドフィナーレ」のアニメーション動画(提供:NASA JPL)
カッシーニの最後のタイムライン
時刻はすべて日本時間で、末尾の括弧内は地球で受信される時間。
- 9月9日 09時09分:土星本体と環の間の隙間をくぐる「ダイブ飛行」の最終回を実施
- 9月9日 22時07分:上記ダイブのデータを地球に送信開始(9日 23時29分)
- 9月12日 04時04分:衛星「タイタン」の最後のフライバイ「お別れのキス」
- 9月12日 14時27分:土星から130万kmの遠点通過、以降は土星に近づいていく
- 9月13日 08時56分:タイタンの最終観測データを地球に送信開始(13日 10時19分)
- 9月15日 04時58分:最後の画像撮影の実施
- 9月15日 05時22分:探査機のアンテナを地球に向け、最後の画像データの送信などミッション終了までの14時間半にわたる連続通信を開始(15日 06時45分)。
- 9月15日 12時15分:キャンベラのディープスペースネットワーク局がミッション終了までカッシーニ追尾を引き継ぎ
- 9月15日 14時08分:衛星「エンケラドス」の公転軌道(約23.8万km)より内側へ
- 9月15日 16時14分:土星大気のサンプル採取、リアルタイムのデータ中継の開始(15日 17時37分)
- 9月15日 16時22分:主要な環のうち最も外側にあるF環の距離(約14万km)より内側へ
- 9月15日 19時31分:スラスターを最大出力の10%で噴射し、大気突入を開始(15日 20時54分)
- 9月15日 19時32分:スラスターを最大出力で噴射、アンテナの向きが地球から外れ、その後通信が途絶える(15日 20時55分)
カッシーニからの最後の信号が届く9月15日 20時55分の空(東京)。南西の空の低いところに輝く土星を見てカッシーニに思いを馳せてみよう(ステラナビゲータで星図作成)
〈参照〉
〈関連リンク〉
- カッシーニ
- 星ナビ.com:2017年10月号 特集「カッシーニ グランドフィナーレ」
- アストロアーツ:
- 【特集】土星を見よう(2017年)
- 投稿画像ギャラリー:2017年 土星
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