ワルツを踊る褐色矮星

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太陽系から約6光年の距離にある褐色矮星の連星系の動きが3年にわたって観測された。ワルツのステップのような優雅な軌跡を描いている。

【2017年6月15日 NASA

一見地味な、小さな丸い2つの点が並ぶ画像をNASAが公開した。実はこれは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が3年かけて撮影した12枚の画像を合成して作られた、2つの褐色矮星の動きを表したものである。

褐色矮星「Luhman 16AB」
褐色矮星の連星系「Luhman 16AB」が互いの周りを回りながら移動する様子(提供:ESA/Hubble & NASA, L. Bedin et al.)

撮影された褐色矮星の連星系「Luhman 16AB」は、ほ座の方向約6光年彼方に位置している。ケンタウルス座α連星系、へびつかい座のバーナード星に次いで地球から3番目に近い星系だが、発見されたのは2013年とごく最近である。お互いの間の距離は太陽から地球までの距離の3倍しかない。

HSTによる観測の目的は、2つの褐色矮星によるワルツのダンスを鑑賞することだけではく、そこに第3のダンサーを探すためだった。ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTによる以前の観測で、この連星系に大質量の系外惑星の存在が示唆されており、2つの褐色矮星の長期間にわたる動きを詳細に調べてその存在を検証しようとしたのだ。

しかし、HSTの観測データから明らかになったのは、系外惑星に邪魔されることなく2つの褐色矮星だけがワルツを踊り続けている様子だった。

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