探査機「カッシーニ」のグランドフィナーレ

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13年間にわたって土星の周回探査を続けてきた探査機「カッシーニ」。4月23日から、いよいよ最後のミッション「グランドフィナーレ」がスタートする。

【2017年4月5日 NASA JPL(1)(2)

1997年に打ち上げられたNASAの土星探査機「カッシーニ」は2004年に土星の周回探査を開始した。この13年間で土星本体はもちろんのこと、魅力的な環や多種多様な衛星について繰り返し観測を行い、数多くの知見をもたらしてくれた探査機だ。

カッシーニの燃料が尽きて制御不能になってしまうと、探査機が衛星に衝突する可能性が小さいながらもある。とくに、地表下に全球規模の海が見つかっている衛星エンケラドスやメタンの海が存在する衛星タイタンは生命(もしくは原始的生命)が存在できる環境であり、そこを汚染することは避けたい。こうしたリスクをなくすため、カッシーニは今年9月に土星大気に突入し、ミッションを終了することになっている。

残された約5か月でカッシーニは、「グランドフィナーレ」と名付けられた最後のミッションを遂行する予定だ。今月23日から始まるグランドフィナーレの期間中、カッシーニは22回にわたって、土星本体と環の最も内側の間に広がる幅2400kmの隙間に飛び込むような軌道を飛行する。

「カッシーニ」のグランドフィナーレの動画(提供:NASA/JPL-Caltech)

グランドフィナーレでは、これまでの探査では調べてこられなかったこの隙間領域に関するデータを得るだけでなく、土星の磁場と重力の分布図作成も予定されている。土星の内部構造が明らかにされ、緯度によって異なる自転周期の謎が解決するかもしれない。さらに、環の起源に迫る手掛かりとなるデータを集めたり、土星大気や環の粒子のサンプルを得たり、土星の環と雲に大接近して撮影を行ったりもする。

9月15日、最期を迎える瞬間まで、カッシーニは新しくユニークなデータを送信してくれるだろう。そして、地球とのコンタクトが途切れた後、探査機は燃え尽きて惑星の一部と化すことになる。

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