宇宙からとらえられたブルージェット
【2017年2月10日 ヨーロッパ宇宙機関】
「(レッド)スプライト」や「ブルージェット」は、地球の上層大気で発生する放電現象だと考えられている。嵐の上空で発生していると考えられているが、その発生場所ゆえに研究は困難であった。
ヨーロッパ宇宙機関の宇宙飛行士Andreas Mogensenさんは、国際宇宙ステーション(ISS)搭乗中の2015年、ベンガル湾の嵐の上空を通過する際に、上層大気まで伸びた雲の柱を撮影した。その映像から、幅1kmほどにわたる青い光が高度18kmあたりで数多く確認された。160秒間の撮影で245回の青いフラッシュがとらえられており、なかには高度40kmに達するジェットもあった。
ISSから撮影されたブルージェットとスプライト。激しく明滅する光から伸びる細く青い光(3秒付近の中央右寄りなど)がブルージェットで、明滅光の上空に見られる赤い光(20秒付近の左上など)がスプライト(提供:ESA/NASA)
ISSの飛行高度は約400kmと低いので、より高高度の人工衛星から見るよりも精度の良い観測が可能だ。また、大気によって遮られるため地上から観測することも非常に難しい。今回の映像は、ISSがこうした現象を観測するのに適していることを認識させるものとなった。今後は新しい装置をISSに取り付けてこの種の現象を継続的に観測し、現象や地球大気の研究を進める予定となっている。
〈参照〉
- ヨーロッパ宇宙機関: Blue Jets Studied from Space Station
〈関連リンク〉
- ヨーロッパ宇宙機関: http://www.esa.int/
- JAXA 宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター: http://iss.jaxa.jp/
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