日食ソフト「エクリプスナビゲータ」用日食要素を公開 12月4日南極皆既日食の月縁補正に対応

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日食シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ」用日食要素データを無償公開しました。2021年12月4日に南極大陸で見られる皆既日食を、月縁形状を補正して正確に再現します。

【2021年9月21日 アストロアーツ

今年12月4日に南極大陸とその近海で見られる皆既日食は、フォークランド諸島の東約500kmの海上で世界時間7時00分ごろ(日本時間16時00分ごろ)に始まります。月の影は南に進んでウェッデル海を通り、南極大陸に上陸する直前の棚氷で食分最大に達します。その後、皆既食帯は南極大陸西部のエルスワースランドを通り、アムンゼン海へ抜けたところで終わります。

サウスオークニー諸島沖では現地時間4時08分ごろ(日本時間16時8分ごろ)に継続時間1分40秒、ユニオン・グレーシャー・キャンプ では現地時間7時48分ごろ(日本時間16時48分ごろ)に継続時間1分4秒の皆既食となります(注:継続時間は月縁補正をした値)。

「エクリプスナビゲータ4」は、国立天文台またはNASAが公開している最新の日食要素(ベッセル要素)を用いて食の計算を行います。月縁の形状の影響を補正する機能も搭載され、接触時刻を高い精度で計算することができます。

今回のデータ更新では「エクリプスナビゲータ4」用に、以下の3地点での月縁プロフィールを考慮した時刻補正データを配信いたします。

観測地 経緯度(世界測地系)
食分最大地点(Greatest Eclipse) 西経66度44分49.02秒、南緯80度45分48.78秒
サウスオークニー諸島沖 西経40度46分00秒、南緯61度00分00秒
ユニオン・グレーシャー・キャンプ 西経82度52分00秒、南緯79度46分00秒

「エクリプスナビゲータ4」で皆既日食を多角的にシミュレーション
ユニオン・グレーシャー・キャンプ(南極)でのシミュレーション。「月縁あり」データでダイヤモンドリングを表示。日食帯地図や時刻表、天空表示、連続表示など、多角的に日食現象をシミュレーションできる。画像クリックで表示拡大

※今回公開した日食要素は元国立天文台の相馬充氏によるもので、日本の月探査機「かぐや」の地形データを使って計算した月縁の形状を含んでいます。


〈データの更新〉

以下の手順でデータの更新を行ってください。データ更新の方法などに関してご不明な点は、製品サポート「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。

1. 最新の「アップデータ」のインストール

ご注意:データ更新の前に、最新の「アップデータ」をダウンロードのうえインストールしてください。製品のバージョンは、「ヘルプ」メニュー→「エクリプスナビゲータについて」から表示される「バージョン情報」ウィンドウで確認できます。

2. データの更新

  1. エクリプスナビゲータを起動し、「設定」メニュー→「データ更新」を選択します
  2. 「データ更新」ダイアログで「更新方法:インターネット」を選択し、「更新をスキャンする」をクリックします
  3. 下記の項目のチェックをオンにして「更新を実行する」をクリックします
    • 「2021年12月04日 南極皆既日食」
    • 「2021年12月04日 南極皆既日食(月縁あり)」
    • 「2021年12月04日 南極皆既日食(月縁あり・サウスオークニー諸島用)」
    • 「2021年12月04日 南極皆既日食(ユニオン・グレーシャー・キャンプ用)」
  4. 更新が完了したら「閉じる」ボタンで「データ更新」ダイアログを閉じます
  5. 「日食要素」メニューに各日食要素が新しく追加されます。観測地に合わせていずれかを選んでお使いください

「データ更新」ダイアログ
「データ更新」ダイアログで日食要素を選び、更新

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