天文ファン続々!マスクごしの「リアル星まつり」

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コロナ禍の中で今期唯一の「リアル星まつり」が、10月9日(金)から11日(日)にかけて福島県田村市星の村天文台で実施された。

【2020年10月16日 星ナビ編集部

2月ごろから始まった新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、毎年、夏から秋にかけて各地で実施されていた大規模な「星まつり」も、中止を含め対応を余儀なくされた。新潟の「胎内星まつり」はネット中継で天文ショップやメーカーの紹介、コンサートなどのプログラムを配信し、九州の「星宴(せいえん)2020 in うぶやま」は一度開催を検討したものの断念、代替案として「離れていても、つながる宙がある。」をテーマに開催予定の期間に撮影された写真を広く募った。

そんな中、全国規模の星まつりの中で唯一、リアル開催されたのが福島県の「星の村スターライトフェスティバル」だった。田村市星の村天文台台長の大野裕明さんによると「かなり悩んで中止も含めて検討を重ねましたが、田村市からの後押しもあって、万全の対策を講じたうえで開催に踏み切りました」という。実施の決定を受け、アストロアーツをはじめとする天文ショップやメーカーも出店を表明した。

感染対策
(左)会場の受付では体温測定を実施。(右)出店ブースではお客さんとの間にビニールシートを設けてコロナウイルス対策を行った

折しも日本列島に台風14号が接近中で、3日間とも悪天候の予報が出ていたが、会場には天文ファンが全国各地から訪れ、マスクとビニールシートごしに旧交を温めた。実際に顔を合わせる機会が少なかったためか、近況報告にも(静かに距離を保って)熱が入る。コロナウイルス対策でステージでのイベントは行われなかったが、隕石磨きや抽選会、国立天文台の渡部潤一先生のお話などが「3密回避」を守った形で実施され、降ったり止んだりの雨の中でも皆それぞれのペースで星まつりを楽しんだ。

「星の村スターライトフェスティバル」は、この第9回をもっていったん終了し、2021年は名称も新たに6月ごろの開催を予定しているという。「石川町スターライトフェスティバル」を引き継いでここまで続いてきた福島の星まつり。これまでの実施に感謝するとともに、名称が変わっても集える場所があり続けてほしいと願った夜だった(星ナビ12月号にてレポートを掲載)。

会場
(左)東日本大震災の追悼キャンドルへの点灯も行われた。(右)参加者同士の距離を保って、静かに国立天文台副台長 渡部潤一先生のお話を聞く参加者たち

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