南北で不揃いな木星のオーロラ

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地球のオーロラは両極で同時に変化する傾向があるが、木星のオーロラは南北それぞれが独立したふるまいをみせるようだ。

【2017年11月6日 ヨーロッパ宇宙機関

オーロラは地球に限らず、様々な惑星や衛星、さらには恒星や褐色矮星などでも見られる現象だ。地球で見られるオーロラは南北の極で互いに鏡像のように変化する傾向があり、たとえば北極のオーロラが明るくなれば同時に南極でもオーロラが明るくなる。こうした傾向はどんな天体でも同じと予測されていた。

木星のオーロラ
ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた木星のオーロラ。2014年撮影の可視光線画像に2016年撮影の紫外線画像を合成(提供:NASA / ESA / J. Nichols (University of Leicester))

英・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよび米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのWilliam Dunnさんたちの研究チームが、ヨーロッパ宇宙機関の「XMMニュートン」とNASAの「チャンドラ」という2機のX線天文衛星で木星の両極のオーロラから放射される高エネルギーのX線を観測したところ、南極のオーロラが11分の周期で明滅を繰り返しているのに対し、北極のオーロラは無秩序に明るくなることがわかった。

「木星のオーロラの活動は磁場によって調整されるだろうと考えていましたが、そのふるまいには本当に首をかしげてしまいます。土星では見られない明るく高エネルギーのX線オーロラがどのように生じるのか、どうしてそれぞれの極で独立しているのか、よくわからないのです」(Dunnさん)。

「周期的に明滅するX線を発生させるには、帯電した粒子が高速で木星の大気に衝突しなければなりません。どんな過程でその現象を引き起こすのかは不明ですが、その過程は南北で独立に起こっているわけです」(英・ランカスター大学 Licia Rayさん)。

木星の両極にあるX線の特に強い場所は、それぞれが地球表面の半分ほどの領域を覆うほど大きい。オーロラがどのように生じるかだけでなく、木星がどのように高エネルギーの放射を発生させているのかについても、さらに理解する必要がある。

今後はXMMニュートンとチャンドラに加えてNASAの木星探査機「ジュノー」も観測を行い、この現象の詳細を明らかにする予定だ。さらにヨーロッパ宇宙機関の木星探査機「Juice」は2029年までに木星に到着する予定で、木星大気や磁気圏、オーロラ、オーロラに対するガリレオ衛星の影響などを観測予定である。

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