「はやぶさ2」がイオンエンジンの連続運転を開始

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昨年12月の地球スイングバイから3か月あまりが経った「はやぶさ2」が、800時間余りにおよぶイオンエンジンの連続運転を3月22日から開始した。小惑星リュウグウへ向けた旅はあと2年ほど続く。

【2016年3月23日 ファン!ファン!JAXA!

小惑星リュウグウへ向けて航行中の探査機「はやぶさ2」が、3月22日22時55分(日本時間)から、4台あるイオンエンジンのうち3台の稼動を開始した。今回のイオンエンジンン運転時間は、5月3日ごろまでの約800時間が予定されている。昨年実施した連続運転のうち一番長いものが409時間だったことと比較すると、かなり長期にわたる運転だ。

「はやぶさ2」の全体像と各種搭載機器
「はやぶさ2」の全体像と各種搭載機器(提供:JAXA)

連続運転とはいえ1週間に1回程度はイオンエンジンを停止し、その間、次の週のイオンエンジン噴射方向へ向くように探査機の姿勢を変える。毎週の姿勢を決めるため、「はやぶさ2」の正確な位置や速度の計算、イオンエンジンの性能評価などが継続して行われる。

今年の1月中旬から「はやぶさ2」は、太陽から離れていくように航行している。昨年12月3日の地球スイングバイ直後の「はやぶさ2」の速度は秒速約31.9km(太陽相対速度)で、太陽から離れるにつれて少しずつ遅くなっているが、昨日からはこれにイオンエンジン運転による加速が得られることになる。

「はやぶさ2」往路の旅は、2018年6月から7月まで続く予定だ。小惑星リュウグウに到着後は、1年半ほど観測を行い、2019年11月から12月に復路の旅を開始する。地球への帰還は2020年11月から12月の予定となっている。

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