がか座β星系で彗星を統計調査 “クロイツ群”の存在も

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大型惑星や原始惑星系円盤が観測されてきた「がか座β星」惑星系で、数百個の彗星の統計的な調査が初めて行われた。太陽系でいうクロイツ群のような特徴的な軌道による分類も見出されており、誕生間もない惑星系を知る大きな手がかりとなっている。

【2014年10月27日 ヨーロッパ南天天文台

63光年彼方の4等星がか座β星は、塵とガスの円盤に取り囲まれた、誕生からおよそ2000万年の若い星だ。地球の16倍の大きさの惑星「がか座β星b」があり、彗星の蒸発や小惑星同士の衝突で円盤中の物質が活発に供給されつづけている進化途上の惑星系である。

Flavien Kieferさんら仏研究チームでは、チリ・ラシーヤ天文台の3.6m望遠鏡で取得した2003年~2011年の観測データをもとに、この惑星系にある493個の彗星の軌道を統計的に調査した。彗星が恒星の前を通過することによる、かすかな光の変化を手がかりにした。

がか座β星系の彗星
がか座β星系と彗星のCG図(提供:ESO/L. Calcada)

調査から、彗星は2つの群に分かれていることがわかった。1つは、惑星bの重力の影響を規則的に受け(軌道共鳴)、かつそれぞれ異なる軌道を持つ古い彗星の群。彗星活動があまり活発でないことから、何度も恒星のそばを通過して彗星核の揮発物質が枯渇したとみられる。もう1つは、主星のすぐそばをかすめるほぼ同一の軌道を持ち、もとは1つの天体だったものが分裂して多数の彗星になったとみられる群。太陽系でいう「クロイツ群彗星」と同様のものだ。

多数の系外彗星の物理特性や軌道を統計的に調査した初めての研究成果について、Kieferさんは「45億年前に太陽で起こっていたことを知る大きなヒントが得られた」と語っている。