「はやぶさ2」、小惑星1999 JU3へ向けた航行段階へ移行
【2015年3月4日 JAXA】 2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、約3か月間にわたり搭載機器の初期機能確認を実施してきた。そして3月2日に、予定していた機能確認および取得データ評価等が完了し、初期機能確認期間を終了した。
翌3月3日からは、目標天体の小惑星1999 JU3に向けた航行段階(巡航フェーズ)に移行して、今年の11月から12月にかけて予定している地球スイングバイに向けた運用が始まった。地球スイングバイまでの間には、イオンエンジン2台による運転を期間中2回に分けて計約600時間(約25日)行い、探査機航行速度の増速(60m/秒)が計画されている。その第1回目として、昨日からイオンエンジンの連続運転時間を徐々に増やしていき、3月中には約400時間の運転を行う。第2回目の連続運転は6月上旬ごろの予定だ。
3月3日14時00分(日本時間)時点の「はやぶさ2」と太陽の間の距離は1億6245万km、地球からの距離は3590万km、航行速度は秒速27.36kmで、探査機は正常に機能しているということだ。
「はやぶさ2」と地球、太陽、小惑星1999 JU3 の位置関係(概略図)(提供:JAXA。以下同)
「はやぶさ2」プロジェクトマネージャの國中均さんは、「全ての関係者の皆さまに感謝申し上げるとともに、運用に携わるメンバー全員、改めて気を引き締めて臨んでまいります。その気持ちを次の言葉に込めたいと思います。『武運を信じ、いざ深宇宙動力航行に挑まん。両舷前進強速。進路、地球スイングバイ回廊。』」とコメントしている。
地球から見た「はやぶさ2」の方向
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