いて座に10等の新星出現、小嶋さん金津さんが独立発見

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9月21日、いて座に10等の新星が出現した。群馬県の小嶋正さんと島根県の金津和義さんがそれぞれ独立発見している。

【2025年9月24日 高橋進さん/CBAT

オーストラリアのJ. Seachさんが9月21.381日(世界時。日本時間では21日18時09分ごろ)に撮影した画像から、10.2等級の新天体を発見しました。そのおよそ1時間後の21.4204日(日本時間21日19時05分ごろ)、群馬県の小嶋正さんはこの天体を10.5等で、さらに島根県の金津和義さんも21.449日(同19時47分ごろ)に10.6等で、それぞれ独立に発見したと報告しました。Seachさんの20.380日(同20日18時07分ごろ)の画像ではこの位置に11.0等より明るい天体はなかったことから、増光直後に発見されたものと思われます。

確認画像
22日に撮影された確認画像(撮影:吉本勝己さん

発見の報告を受けて、国内外の観測者による確認観測が行われました、この天体は22日には8等台に増光していることが確認されています。

新星の光度曲線
新星の光度曲線(CBETとVSOLJメーリングリストの報告から高橋さん作成)

22.451日(同22日19時49分)に岡山県の藤井貢さんによる分光観測が行われ、P CygプロファイルをともなったHα、Hβ、He I、O Iの輝線などが確認されました。このことから、新天体が古典的新星であることが確認されました。

新星のスペクトル
新星のスペクトル(提供:藤井さん、輝線部の追記は高橋さんによる。画像クリックで表示拡大)

新星の位置
新星の位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

小嶋さんの新星発見は今月5日以来となります。また、金津さんの新星発見は「金津天体」として知られる2000年12月の新星以来です。

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