能登半島地震 天文施設の被災状況

このエントリーをはてなブックマークに追加
2024年1月1日に能登半島を襲った地震によって、大きな被害が出ています。星ナビでは、能登半島周辺の天文施設に被災状況をうかがうことができました。

【2024年2月2日 星ナビ編集部

石川県の能登半島、鳳珠郡能登町にある石川県柳田星の観察館「満天星」は天文台とプラネタリウムを備え、敷地内のコテージに宿泊して星空観察もできる施設です。能登町は震度6弱の揺れに見舞われ、「満天星」でも建物やプラネタリウム、天文台が損害を受けて休館を余儀なくされました。地震発生当日は休館日で施設での人的な被害はなく、またスタッフも全員無事だということです。

1月17日の時点で停電は回復、通信環境もある程度まで回復したものの、上下水道は復旧せず、周辺道路にひび割れや陥没もあり、再開の見通しはありません。施設スタッフの宇佐美拓也さんは、全国からの支援に対する感謝と合わせて「少しずつ復旧を目指していきます。いつか落ち着いたころには能登にお越しになって、美しい星空を眺めていただけると嬉しいです」と述べています。

能登半島は、2023年にTVアニメ実写映画が公開された漫画『君は放課後インソムニア』(オジロマコト作・小学館)の舞台です。作品に能登の美しい風景と星空を撮影する高校天文部が登場することもあって、星ナビ 2023年5月号では作品とコラボした特集「星地巡礼 能登の旅」を掲載し、「満天星」の宇佐美さんに星空撮影スポットを紹介していただきました。

なお、2月1日には「満天星」のX(ツイッター)にて「2024年1~3月は休館とさせていただきます。4月以降に開館するかどうかは後ほどお知らせします」と投稿がありました。

石川県柳田星の観察館「満天星」の被害状況
地震直後の「満天星」の様子。機材庫の望遠鏡と赤道儀の数点が破損した。プラネタリウムでは、投影機の転倒はなかったものの、コンソールではモニターが、パソコン室ではエアコンの室外機が倒れた。復旧に向けてメーカーと相談していくとのこと。天文台の口径60cm反射望遠鏡は、ホームポジションからずれて向きが変わってしまったそうだ(提供/石川県柳田星の観察館「満天星」)

「銀河の里キゴ山」の愛称で親しまれる金沢市の「キゴ山ふれあい研修センター」は、プラネタリウムドームのある天文学習棟を備えています。地震によって一部床のコーティングが割れるなどしましたが、投影機や天文展示、建物やインフラ設備にも大きな問題はありませんでした。しかし施設が避難所として利用されていて、少なくとも2023年度内の通常運営再開の見通しは立っていないということです。

アメリカや旧ソ連が開発した本物の宇宙船や探査機を見ることのできる宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」は、能登半島の付け根に位置しており、震度5強の揺れでした。展示物などに若干の被害があり一時休館となりましたが、建物に大きな損傷はなく、修繕・点検を経て安全が確認されたため、展示室は1月24日に再開しています。また、ドームシアターも2月10日からの再開を予定しています。

小松市の「サイエンスヒルズこまつ ひととものづくり科学館」や金沢市の「いしかわ子ども交流センター」、富山県の「富山市科学博物館」「黒部市吉田科学館」は大きな被害はなく、1月半ばの時点で通常通り開館しています。

施設スタッフの方々には、たいへんな状況のなか問い合わせにご対応いただきありがとうございました。被災者の皆様にお見舞いを申し上げるとともに、休館中の施設の一日も早い復旧と再開を願っています。通常の運用が行われている施設へは、ぜひとも足を運んで応援しましょう。

「星ナビ」2024年3月号のNews Watch掲載内容を改訂して掲載。

関連商品

オリジナル版の「星座早見工作セット」の受託製作を承ります。希望の方に見本とご案内をお送りします。

〈関連リンク〉

関連記事