国産反射望遠鏡誕生から1世紀、アマチュア天文家たちの“夢”をたどる企画展
【2025年4月13日 星ナビ編集部】
1668年にニュートンが反射望遠鏡を発明して以降、金属鏡で製作されてきた反射鏡が、19世紀後半にガラスに銀をメッキしたガラス鏡へ移行し、近代的反射望遠鏡が誕生しました。明治維新後、日本には文明開化の名のもとに欧米の文化が大量に国内へ流れ込みましたが、当時の日本はほとんどの面で後進国であり、近代反射望遠鏡の国産化が実現するには多くの技術の習得と研鑽が必要でした。
2026年は、国産反射望遠鏡が作られてから100周年です。3月15日(土)から京都産業大学神山(こうやま)天文台で始まった企画展「西村製作所と中村要 反射望遠鏡にかけた夢」では、アマチュア天文学の父と言われる山本一清や、19歳で単身サンフランシスコへ渡った山崎正光、そして反射鏡研磨に挑んだ中村要(かなめ)、機械部分の製作を担った西村製作所……彼らの挑戦によって国産反射望遠鏡ができるまでの軌跡を紹介しています。
中村要(左)と、西村製作所の新一郎、繁次郎兄弟(右)(提供:京都産業大学神山天文台)
神山天文台 企画展「西村製作所と中村要~反射望遠鏡にかけた夢~」の展示(提供:京都産業大学神山天文台)
企画展では、中村要が大正15(1926)年に製作した15cm反射経緯台や、西村製作所の創業期から昭和26(1951)年までのものをまとめた製品写真、西村製作所と宮澤堂により設計されたミヤニ式望遠写真機の設計図など、貴重な資料が展示されている他、関連イベントとして講演会やギャラリートークが実施されます。
また、発売中の星ナビ2025年5月号では、企画展を担当した神山天文台学芸員の青木優美香さんに、どのようにして国産の反射望遠鏡が作られたのか、人と人との繋がりや当時の技術者たちの天文学や望遠鏡に対する情熱を紹介していただきました。企画展は6月20日(金)まで。一緒に「アマチュア天文家たちの“夢”」の軌跡をたどってみましょう。
星ナビ5月号「天文外史:西村製作所と中村要の挑戦」より
企画展ポスター。6月20日(金)まで月~金曜9:00~16:30、京都産業大学神山天文台(京都産業大学キャンパス内)にて開催中
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