星座八十八夜 #41 空飛ぶ金の羊「おひつじ座」
【2023年11月21日 アストロアーツ】
(「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)
見どころ
秋から初冬の20時ごろ、天頂付近に広がる「秋の四辺形」の左側の星アルフェラッツからまっすぐ東の地平線に下りていく途中に〈おひつじ座〉があります。「秋の四辺形」と「すばる」の真ん中あたりとおぼえてもいいでしょう。2等星と3等星が仲良く並んでいるのが〈おひつじ座〉の目印です。
星座の起源
バビロニアでは、このあたりにある星の群れにたいヘん古くから星座が設定されていました。もともとは「雇われ農夫」という星座でしたが、当時の言葉で「男」と「羊」の発音が似ていたため、羊の星座になったといわれています。
「黄道十二星座」の一つで、 3月21日~4月19日生まれの人の誕生星座です。
星座の物語
ギリシア神話では、この星座のモデルは空を飛ぶことのできる金色の毛の羊です。
ボイオティアの王アタマスの2番目の妻となったイーノは、先妻ネペレの子であるプリクソス王子とへレー王女を殺そうとしました。子供たちが狙われていることを知ったネペレは、空を飛ぶ金毛の羊にプリクソスとヘレーを乗せて逃がしました。
しかし羊があまりにも速く飛ぶので、途中でヘレーが海にころげ落ちてしまいました。一説によると、ヘレーは海の神ポセイドンに助けられ、ポセイドンの花嫁になったと伝えられています。
一瞬の出来事にプリクソスはとまどいましたが、金毛の羊になぐさめられ、そのまま空を飛び続けてコルキスの地へ逃れつきました。後にこの羊が天に上げられ〈おひつじ座〉となりました。
88星座の見所を紹介!「スマホで楽しむ星座入門」
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