星座八十八夜 #27 翼のある天馬「ペガスス座」
【2023年10月2日 アストロアーツ】
(「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)
見どころ
〈ペガスス座〉を見つけるのは簡単です。秋の夜空で、南の空の高いところをさがすと、3つの2等星と1つの3等星が四角く並んでいるのがすぐにわかります。これらがペガススの胴体で、「秋の四辺形」と呼ばれています。秋の四辺形は、ほかの秋の星座をさがすときの目印にもなっています。
南を向いて見上げるとペガススは頭を下にして、逆さの姿になっています。首は南西側、空高く上ったときは右下に伸びています。先端に、鼻にあたる2等星エニフが輝いているのでわかりやすいことでしょう。
一方、北東側(左上)からは〈アンドロメダ座〉の星が連なっています。実は、四辺形の左上の星アルフェラッツは、〈アンドロメダ座〉の星に分類されています。ですがアルフェラッツという名前はアラビア語で「馬」という意味の言葉に由来します。
星座の起源
バビロニアでは四辺形の星を「畑」と呼んでいました。古代ギリシアでペガススと見られるようになりましたが、最初のころは翼のないただの馬と呼ばれていたようです。
日本ではこの星座の四辺形を、お米などの量を量る升に見て「升形星」と呼んでいました。もっと簡単に「升星」、さらに簡単に「四つ星」と呼んでいた地方もあります。
星座の物語
ギリシア神話では、このペガススは、勇者ペルセウスが妖怪メドゥーサの首をはねたとき、その血が降りかかった岩から生まれた天馬、とされています。その後、ペガススはペルセウスといっしょに冒険を続け、アンドロメダ姫を助けた話にも登場します。勇者ペルセウスの神話には、星座になったものがたくさん登場します。
88星座の見所を紹介!「スマホで楽しむ星座入門」
「スマホで楽しむ星座入門」では、いつどのように見えるの?星座誕生の由来は?などを星座一つ一つについて紹介。星空観察の入門にピッタリな一冊です。神話のエピソードや星座どうしの意外なつながりなども見えてきますよ。デジタルアーティストKAGAYAの美しいイラストが誌面を彩ります。
「スマホで楽しむ星空入門」では、星図アプリ「星空ナビ」とも連動。二次元コードをスマートフォンで読みとると、夜空の中で星座が見える方向を教えてくれる「ガイド機能」が使えます。見つけにくい星座も「星空ナビ」を使って、実際の夜空で探してみましょう!
〈関連リンク〉
関連記事
- 2023/12/05 星座八十八夜 #45 天を流れる大河「エリダヌス座」
- 2023/12/01 星座八十八夜 #44 大神ゼウスの化身の白い牛「おうし座」
- 2023/11/28 星座八十八夜 #43 ラカイユの科学実験シリーズ「とけい座」
- 2023/11/24 星座八十八夜 #42 ラカイユの科学実験シリーズ「ろ座」
- 2023/11/21 星座八十八夜 #41 空飛ぶ金の羊「おひつじ座」
- 2023/11/17 星座八十八夜 #40 春の宵空の百獣の王ライオン「しし座」
- 2023/11/14 星座八十八夜 #39 名前どおりに三角の星座「さんかく座」
- 2023/11/10 星座八十八夜 #38 ケイセルの動物シリーズ「ほうおう座」
- 2023/11/07 星座八十八夜 #37 ラカイユの美術道具シリーズ「ちょうこくしつ座」
- 2023/10/31 星座八十八夜 #36 親と子をつなぐリボン「うお座」
- 2023/10/27 星座八十八夜 #35 石にされた海の怪物「くじら座」
- 2023/10/24 星座八十八夜 #34 古代エチオピアの悲劇のヒロイン「アンドロメダ座」
- 2023/10/20 星座八十八夜 #33 古代エチオピアの美しい妃「カシオペヤ座」
- 2023/10/17 星座八十八夜 #32 アンドロメダの父「ケフェウス座」
- 2023/10/13 星座八十八夜 #31 ケイセルの動物シリーズ「きょしちょう座」
- 2023/10/10 星座八十八夜 #30 ケイセルの動物シリーズ「つる座」
- 2023/10/06 星座八十八夜 #29 秋の南空の目印「みなみのうお座」
- 2023/10/04 星座八十八夜 #28 大神ゼウスのお気に入り「みずがめ座」
- 2023/09/29 星座八十八夜 #26 ペガススの弟馬「こうま座」
- 2023/09/26 星座八十八夜 #25 善悪をはかる「てんびん座」