星座八十八夜 #13 流星群で人気「ペルセウス座」

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〈ペルセウス座〉は、数多くの秋の星座と結びついた冒険物語の主人公の姿です。星座そのものよりも、その名を冠した流星群のほうが有名かもしれません。

【2023年8月10日 アストロアーツ

星座八十八夜

「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)

見どころ

〈ペルセウス座〉は、見どころの多い星座ですが、おぼえにくい星座でもあります。

まず「秋の四辺形」を見つけてから、東の方角へ向きます。四辺形の左(東)側の星アルフェラッツから、左下へ2列に伸びる〈アンドロメダ座〉をたどっていきます。そのままアンドロメダの足の先の方をさがすと、1つの2等星を含む、複雑な並び方をした星の集まりが見つかります。これが〈ペルセウス座〉の中心部です。 2等星はミルファクといいます。この星を中心に、いくつもの3~4等星が並んでいます。

双眼鏡や望遠鏡を持っている人はペルセウス座にある天体も探してみましょう。2等星ミルファクの周りには、まばらな散開星団「Mel 20」。さらに、〈ペルセウス座〉と〈カシオペヤ座〉の境界線付近には、「二重星団h-χ(エイチカイ)」があります。星座絵でペルセウスが手に持っているメドゥーサの首の眼のところには、変光星アルゴルがあります。

「ペルセウス座」と言えば、毎年8月の12~13日ごろに出現する「ペルセウス座流星群」が有名です。ただし、放射点の位置は、となりの〈カシオペヤ座〉の中の境界線付近にあります。

ペルセウス座

星座の起源

古代バビロニアでは、現在の〈ペルセウス座〉とほぼ同じ星を結んで老人の姿を思い描いていたようです。それがそのままギリシアに伝わったかはわかりませんが、英雄ペルセウスの星座ということになりました。

星座の物語

ギリシア神話では、ペルセウスは、アルゴスの王女ダナエと大神ゼウスの間にできた息子です。ここでは、ペルセウス座の物語の一部を抜粋して紹介しましょう。

母・ダナエに育てられたペルセウス。しかし、ペルセウスが成長したとき、セリポス島の王ポリュデクテスは美しいダナエを強引に妻にしようとします。そこでペルセウスは王と「妖怪メドゥーサの首を持って帰ったら、母ダナエを自由にする」という取り引きをして、冒険に出ます。メドゥーサというのは、髪の毛が全てヘビでできている妖怪で、その顔を見た者は、あまりの恐ろしさに石になってしまうと言われていました。

幸いペルセウスは、神様たちから気に入られていたので、様々な救いの手が差し伸べられました。神々から役に立つ道具を贈られ、神様たちのアドバイスを受けながら、知恵と勇気をふりしぼり、首尾よくメドゥーサを退治することができました。ペルセウスがメドゥーサの首を切り落とすとき、その血がふりかかった岩から、ペガススが誕生しました。

ペルセウスが母の待つセリポス島に帰る途中、エチオピアで、海岸の岩に鎖でしばりつけられているアンドロメダ王女と、化けクジラのケートスを見つけます。そこでペルセウスはメドゥーサの首を取り出し、ケートスに突きつけました。するとケートスは石になってしまいました。無事にアンドロメダ王女を救うことができたペルセウスは、王女と結婚し、ともにセリポス島へと帰りました。

この物語に出てくるアンドロメダ王女と、その父母のケフェウス王とカシオペヤ王妃、天馬ペガスス、化けクジラたちも、全て秋の星座になっています。

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