「はやぶさ2」を見送るチャンス、地球帰還観測キャンペーン実施

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12月6日に地球に帰還する探査機「はやぶさ2」を観測するキャンペーンが展開されている。天体望遠鏡や熟練した撮影技術が必要となるが、腕に覚えのある方はぜひチャレンジしてみてほしい。

【2020年11月10日 三島和久さん】

筆者:三島和久さん(倉敷科学センター

小惑星探査機「はやぶさ2」は2020年12月6日(日)に、小惑星「リュウグウ」の採取試料を閉じ込めたカプセルをオーストラリアの砂漠地帯に着地させます。この際に探査機本体は地球近傍をすり抜け(地球フライバイ)、次に探査が予定されている小惑星へと向かう10年以上の新たな旅を始めます。

この際に、地球に接近している「はやぶさ2」を地上から光学観測できるとみられています。2015年12月3日に「はやぶさ2」が地球スイングバイをした際にはアマチュア天文ファンを含め多くの方が地上からの光学観測に成功しましたが、今回はそれ以来のチャンスとなります。次の小惑星に向かう途中で「はやぶさ2」はさらに2回地球スイングバイする予定ですが、このときの条件は現時点ではまったく不明のため、今回が「はやぶさ2」を観測できる最後のチャンスになる可能性もあります。

2015年12月3日の「はやぶさ2」の光跡
2015年12月3日の地球スイングバイの際に撮影された「はやぶさ2」の光跡(撮影:倉敷科学センター)

JAXAはやぶさ2プロジェクト、日本惑星協会(TPSJ)、日本公開天文台協会(JAPOS)の3団体は『はやぶさ2 おかえり!2020 共同観測キャンペーン』を実施し、観測情報の提供や撮影画像の募集、ハッシュタグ「#おかえりはやぶさ2」を使用したSNS上でのはやぶさ2プロジェクトの応援を呼びかけています。

「はやぶさ2」は地球の夜側かつ北半球の方向から接近してくるため、12月5日夜から6日未明にかけて、日本からの観測条件がよくなることがわかっています。ただし午前2時直前には地球の影に潜入してしまうため、最も観測しやすい時間帯は6日午前1時台となります。残念ながら肉眼で見える明るさには達しませんが、星雲・星団や彗星などの直焦点撮影に対応できる環境があれば、「はやぶさ2」を観測できる可能性があります。

「はやぶさ2」の概略位置、予想光度
「はやぶさ2」の概略位置と予想光度。位置は東京から見た場合のもので、観察場所により大きく異なる。方位角は南が0度

「はやぶさ2」の概略位置(赤道座標) 「はやぶさ2」の概略位置(地平座標)
「はやぶさ2」の概略位置の星図(東京から見た場合)。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

光度の予想は非常に難しく、±2等級の誤差があります。また、当夜は月照夜であり、「はやぶさ2」は刻々と移動量を増加させていくため、通常の12~14等級の天体をとらえる撮影感覚とは勝手が違うことにご注意ください。

「はやぶさ2」の実際の位置は場所によって視差があるため、観測地ごとに位置情報を得る必要があります。セキュリティ保護の観点から、位置情報は一般には公開されていませんが、観測に協力いただける方は、情報拡散防止の取り決めを遵守することを条件に、観測キャンペーンのウェブサイトにて観測地点登録をすることで、位置情報の提供を受けることができます。

登録締切は11月20日(金)です。5年ぶりに地球に帰還し、また新たな目的地へと旅立つ「はやぶさ2」を、ぜひとらえてみませんか。

※ニュース初出時に記事タイトルを「「はやぶさ2」を見る最後のチャンス、~」」とし、本文中でも今回が最後の機会であるかのように書いていましたが、次の小惑星を目指す途中に2回地球スイングバイがあることを考慮してタイトルと本文を修正いたしました。

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