【レポート】天文講習会「天体写真画像処理講座 2019後期」の3、4回目を開催
【2019年12月3日 アストロアーツ】
今回の「天体写真画像処理講座 (全4回)」は、台風の影響により第1回と第2回の開催日が10月26日(土)と27日(日)に変更になりました。そのため後半の第3回と第4回はそれから3週間後の開催となりました。今回も土曜の午後と日曜の午前の開催とし、東京近郊以外の方にもできるだけ受講しやすい日程にしました。受講者のお住まいを確認したところ、北は東北地方、西は中国、四国地方から受講された方がいらっしゃいました。
16日(土)の第3回では、レベル補正、オートストレッチ、トーンカーブを使った階調の調整などを簡単に復習した後、アンシャープマスクの理屈を説明、ステライメージの「マルチバンドシャープ」の解説へと進みました。マルチバンドシャープのダイアログの解説はこれまで開催した講座でも大好評でしたが、今回も処理のポイントを指摘し、数値によって元画像がどのように変わっていくかを確認しながら使いこなし方を詳しく紹介しました。
翌17日(日)の第4回は、周辺減光とフラット処理について説明した後、ステライメージによる周辺減光・カブリ補正を実践しました。フラット補正に特化したソフト「FlatAidePro」の紹介もありました。さらに、ステライメージと一緒に使うソフトとしてPhotoshopを取り上げ、レイヤーと調整レイヤーの使い方、ローカルコントラスト処理、ノイズ低減処理、疑似LRGB合成などの解説では、天体写真の処理で有効と思われる機能のみを簡単に紹介しました。
講座では「画像処理は撮影の失敗をカバーすることはできない」という持論のもと、画像処理以前の撮影機材の設置、極軸合わせをしっかりすることを力説し、講座の合間に自らの経験なども紹介しました。
講座終了後、アンケートを集計してみたところ、以下のような感想が述べられていました。
- ステライメージ8の詳細編集モードの使い方がわかった
- 動作原理が理解できてパラメータの追い込み方がわかるようになった
- マスク、レイヤーの概念が理解できた
- ステライメージとPhotoshopの使い分けが学べた
- これまでいかに適当な処理をしていたのか痛感した
- 第1回と第2回に参加できなかったので次の機会に受講したい
また、画像処理以外で開催してほしい講座として、
- サンプル画像を使った画像処理の実習講座
- 撮影機材の設置やセッティング及び撮影の実習講座
- 星景・星空撮影の入門講座
などがありました。こうした受講者のご意見、ご感想は今後の講座を企画するときに参考にさせていただきます。
今回で年内の天文講習会はすべて終了しました。次回は2020年4月に開催する予定です。今後もご期待ください。
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