「はやぶさ2」の小型着陸機「MASCOT」の移動経路を解析

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今月2日に探査機「はやぶさ2」から分離し小惑星リュウグウへ着陸した小型着陸機「MASCOT」について、「はやぶさ2」が撮影した画像やMASCOTに搭載のカメラの画像などから、MASCOTがどのようにリュウグウへと接近し着陸後に移動したかが明らかにされた。

【2018年10月18日 DLRJAXA はやぶさ2立教大学

日本時間10月2日に、小惑星探査機「はやぶさ2」は小型着陸機「MASCOT」を分離した。「MASCOT」は6分間の自由落下の後、小惑星「リュウグウ」の表面上で11分間リバウンドを続けて静止し、その後約17時間にわたってリュウグウを探査した(参照:「はやぶさ2」の小型機「MASCOT」がリュウグウに着地成功」)。着地点は「MASCOT」運用チームによって、イギリスの作家ルイス・キャロルの著作にちなんで「アリスの不思議の国」と名付けられている。

「MASCOT」には高度計が搭載されておらず、「はやぶさ2」には高度計が搭載されているものの「MASCOT」までの距離を直接測ることはできない。そこで運用チームでは、「はやぶさ2」が撮影したリュウグウの表面に落ちている「MASCOT」の影や、リュウグウ表面上の「MASCOT」の姿の画像、さらに「MASCOT」に搭載の広視野カメラ「MASCAM」が撮影したリュウグウの石の分布をとらえた画像の情報を組み合わせることによって、「MASCOT」が移動した経路を解析した。

「MASCOT」のリュウグウへの接近経路と表面の移動経路
「MASCOT」のリュウグウへの接近経路。(黄色の線)「はやぶさ2」のカメラに写った見かけの位置、(水色の線)推定された実際の位置(「MASCOT」の直下点)。左上から右上への水色の線は着陸後の移動経路。画像クリックで表示拡大(提供:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)

「MASCOT」は4か所で4つの観測装置を使って大量のデータを取得しており、現在その解析も進められている。「MASCOT」が巨石や石だらけのリュウグウ上を移動し、その組成について非常に多くのデータを地球に送ることができたことは誇るべき成果です」(ドイツ航空宇宙センター Pascale Ehrenfreundさん)。

「実際のところ、想像していたより表面の様子はすごいものでした。すべてが荒々しい岩で覆われていて、岩塊がまき散らされています。これらの岩がどのくらい緻密なものか、どのような成分できているのか、まだわかっていません。しかし、最も驚くべきことは、細かい物質が積もったところが全く見当たらないことです。これは、全く想像していませんでした。これから数週間かけて、この点について調査をしなければなりません。というのは、宇宙風化によって細かい物質が生じるはずだからです」(「MASCOT」ミッション科学担当 Ralf Jaumannさん)。

「MASCOT」が最初に接地する直前に撮影したリュウグウの表面
(右)「MASCOT」が最初に接地する直前に撮影したリュウグウの表面。左画像(1枚目の画像と同様)の白い線の右上の位置から左下方向を撮影している。画像クリックで表示拡大(提供:(左)1枚目と同じ、(右)MASCOT/DLR/JAXA)