星空の色の分布図

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位置天文衛星「ガイア」が観測した10億個以上の星の色をもとに作成された、全天図のプレビュー版が公開された。

【2017年8月21日 ヨーロッパ宇宙機関

2013年12月に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」は、2014年6月から観測データを集め続けており、恒星の位置と動きを記した史上最大かつ最も詳しいカタログの作成を目指している。ガイアは星の色も観測しており、そのデータは星の内部構造や化学組成、進化などに関する多くの疑問を解決するために重要なものとなる。

星の色の観測結果は2回目のデータリリースとなる来年4月に最高レベルの解像度のフルカラーマップとして公開される予定になっており、そのプレビュー版が公開された。2014年7月から2016年5月までに得られた1860万個の明るい星の初期データに基づくもので、それぞれの点で観測されたすべての星の色の中間値が示されている。

星の色の分布図
星の色の分布図のプレビュー版。青い波長と赤い波長の観測データの差を模式的に表したもの。中央が天の川の中心で、左右が銀河面(天の川の流れに沿った向き)。クリックで画像拡大(提供:ESA/Gaia/DPAC/CU5/DPCI/CU8/F. De Angeli, D.W. Evans, M. Riello, M. Fouesneau, R. Andrae, C.A.L. Bailer-Jones、以下同)

星の個数密度マップ
星の個数密度マップ。明るいところほど密度が高い。中央右下の白い部分は大小マゼラン雲。クリックで画像拡大

主に天の川の中心付近(図の中央)に見られる最も赤い領域は、星の個数密度を示した図の暗い領域に対応している。この方向では大量の塵が星の光を一部隠しており、とくに青い波長の光が減ってしまうため、同領域が赤っぽく見える「赤化」現象が起こっている。個数密度が小さいのも赤化が起こるのも塵の影響による見かけ上のもので、実際に星数が少なかったり赤い星の割合が多かったりするわけではない。

2016年9月に発表されたガイアの初カタログは、各星の観測を平均70回行うことになっている5年間のミッションで収集されるデータ総量の4分の1以下を基にしたものだ。その時点ですでに11.4億個の星の明るさと位置を前例のない正確さで示すものだったが、星の色に関する情報は含まれていなかった。その後の観測を経て、今回のプレビュー版に見られるような恒星の色の推定値が得られるようになってきている。

来年発表されるデータには、星の明るさや位置だけでなく色の情報も含まれ、さらに長年待ち望まれていた恒星の視差と固有運動の推定値もある。このデータによって天の川銀河の秘密が掘り下げられ、組成や形成、進化などをかつてないレベルで調べることが可能になるだろう。