予想に反して生き残ったSOHO彗星

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今月18日から21日にかけて太陽をかすめるように近日点を通過した彗星の姿を、NASAの太陽観測衛星がとらえた。同彗星は太陽表面から約350万kmの距離を通過した後も予想に反して生き残った。

【2015年2月25日 NASAUniverse Today

NASAの太陽観測衛星SOHOが発見した彗星「SOHO(C/2015 D1)」(以下SOHO彗星)は、2つの点で興味深い。1つめは、ほとんどの彗星と同様に太陽への最接近で蒸発するという予測に反して、太陽表面から約350万kmの距離を通過した後も生き残ったことだ。

2つめは、この彗星がどのグループにも属していないことだ。SOHOの視野に入るような彗星は太陽のすぐそばをかすめる「クロイツ群」に属しているものがほとんどだ。クロイツ群彗星は似通った軌道を持っており、巨大な単一の彗星がかつてばらばらになったものとされている。

2月20日、SOHOのLASCO C3カメラがとらえたSOHO彗星
2月20日(世界時)、SOHOのLASCO C3カメラがとらえたSOHO彗星(提供:NASA/ESA)

また、その明るさも特異だ。2月21日にSOHOの視野から抜けた際の彗星の明るさは、4~4.5等級だった。「思いのほか早く消滅するかもしれないが、今後地上からSOHO彗星を観測できるか、確率は半々です」(米・海軍研究試験所のKarl Battmansさん)。

2月19日、SOHOのカメラLASCO C2の視野中を移動するSOHO彗星
2月19日、SOHOのLASCO C2カメラの視野中を移動するSOHO彗星(提供: NASA/ESA/Barbara Thompson)

今後SOHO彗星は、うお座からぺガスス座まで移動する。おそらく6等級以上になることはなく、予想外のアウトバーストを起こさない限り数日のうちに暗くなるだろう。日没後の西の低い空に位置するため、観測は難しそうだ。

午後7時(日本時間)のSOHO彗星の位置
午後7時(日本時間)のSOHO彗星の位置。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)