タカハシの新型鏡筒「FCT-65D」、「FC-76DP」、「FS-60CP」新発売
【2024年9月27日 星ナビ編集部】
高橋製作所から、新型鏡筒「FCT-65D」、「FC-76DP」、「FS-60CP」、が9月27日に新発売。
「FCT-65D」は、従来のFCTシリーズのコンセプトを受け継ぎつつ、眼視・撮影の両面において進化させた鏡筒。フローライト素材のポテンシャルを最大限発揮させる新規光学設計が施された3枚玉フローライトアポクロマートの短焦点屈折望遠鏡だ。「FC-76DP」は、通称「ナナロク」と呼ばれる「FC-76DCU」に2インチサイズ接眼体を使用した鏡筒。「FS-60CP」は、FSシリーズのロングセラーモデル「FS-60CB」を2インチサイズ接眼体へと換装した鏡筒。これら3機種は、後日発売される「FUレデューサー」を使用することができる。
そのほか、今回発売された3機種に現行の補正レンズを対応させる「マルチCAリング65D」と「M55.9延長筒L30」も発売される。
- ■ 発売概要
-
- ブランド名:タカハシ
- 商品名:FCT-65D
- 価格:156,200円(税込)※バンド・アリガタは別売
- 発売日:9月27日(金)
- ■ 発売概要
-
- ブランド名:タカハシ
- 商品名:FC-76DP
- 価格:159,500円(税込)※バンド・アリガタは別売
- 発売日:9月27日(金)
- ■ 発売概要
-
- ブランド名:タカハシ
- 商品名:FS-60CP
- 価格:105,600円(税込)※バンド・アリガタは別売
- 発売日:9月27日(金)
● FCT-65D ●
■製品特長
- 憧れを実現へ。コンセプトを継承し、再始動
-
- FCTシリーズの最大の強みは、中心星像が極めてシャープであるということ。「FCT-65D」は、その特徴をさらに発展させ、口径65mm/F6.2の明るさでありながら眼視ストレール比97.5%(計算値)と、完璧に近い中心像を誇る。従来の小口径のメリットであるコンパクトさを維持しつつ眼視と撮影の両方を楽しめる進化したマルチフォトビジュアル鏡筒だ。
- 従来のスタイルとは異なる外観は、高性能専用「FU レデューサー」を収めるための仕様で、2インチサイズの接眼体を採用。
- 眼視ストレール比97.5%という数値は、FC-100DZとほぼ同じで、焦点内外像に色付きが少なく、ベストピントの状態の際にも色滲みはほとんど見られない。口径こそ65mmだが、中心像のクリアさという点に絞れば、TSA、TOAシリーズに匹敵する、極めて良い状態で感動的な眼視体験が楽しめる。
- ドロチューブ後端から焦点面までの距離(メタルバック)が約199.2mmと長く(設計値)、別売の「天頂ミラー50.8」や「天頂プリズム31.7MC」を併用して、無限遠にピントを合わせられる(※1)。
- FCT-65D、FC-76DP、FS-60CPでは、新製品「オルソエクステンダー2×」、タカハシラインナップとして初の拡大率4倍の「オルソエクステンダー4×」を拡大撮影に使用できる。中心像の収差増大を抑えつつさらに引き伸ばし、迫力ある高倍率撮影楽しめる。観望の際も、オルソエクステンダーの利点を活かしたシャープな見え味を堪能できるので、月や惑星の観察にも適している。
(※1 眼視の場合、購入時の状態では無限遠にピントが合わないため、別売の「50.8 延長筒」または「天頂ミラー50.8」/「天頂プリズム31.7MC」を使用のこと。詳細は、システムチャートを参照のこと)
- 天体撮影でも優れた性能を発揮
-
- 「FC/FS マルチフラットナー1.04×※2(別売)」との相性も良好で、RMSスポット直径は中心で約4μm、35mmフルサイズの周辺でも約10μmとなり、中央比光量はAPS-Cサイズのセンサーをカバーする範囲でほぼ 100%を維持している。写真撮影だけでなく眼視適性の高さから、観望を楽しむユーザーにもおすすめ。
(※2 別売の専用スペーサーリング「マルチCAリング65D」が必要。また、「M55.9延長筒L30(別売)」を併用すれば合焦時のドロチューブ繰出量を約50mmから約20mmへ抑えることが可能。詳細はシステムチャートを参照のこと)
- コンバージョンレンズのラインナップ
-
- タカハシ初の試みを取り入れた専用設計高性能レデューサー(近日発売予定)を新規開発。かつてのFCTシリーズは、現代ではイメージサークルが狭く、完全なフラットフィールドとは言えなくなった。そこで今回開発されたのが4枚玉の「FUレデューサー」だ。この専用レデューサーを「FCT-65D」に取り付けた際には、焦点距離260mm/F4となり周辺光量を70%以上維持しつつ、フルサイズの画角周辺部まで良質な星像を維持した高性能アストロカメラとなる。
- 四隅まで均一、明るい星も綺麗に映る
-
- フルサイズセンサーの四隅に等倍の状態で注目した場合でも、全体で均一な写りとなることが期待できる。超高画素のフルサイズカメラで撮影した場合でも四隅まで均一で、かつ色ハローが発生せず、明るい星もきれいに写すことができる。
● FC-76DP ●
■製品特長
- ナナロクに更なる可能性を
-
- 高性能専用レデューサーを収納するために2インチサイズの接眼体を採用した、フローライトレンズ搭載「FC-76DCU」のバリエーションモデル。
- 対物レンズの設計に変更はないが、「FU レデューサー」を取り付けた際には、色収差、湾曲収差の面で非常に優れた結像性能を持つ、焦点距離365mm/F4.8の高性能アストロカメラとなる。
- 鏡筒本体についても「FC-76DCU」と同じ分離式を採用することにより、気軽に持ち運びできる。また、新発売の「M55.9 延長筒L30」を取り付けることで「FC/FSマルチフラットナー1.04×」にも対応可能。
(※眼視の場合、標準状態では無限遠にピントが合わないため、別売の「50.8 延長筒」または「天頂ミラー50.8」/「天頂プリズム31.7MC」を使用のこと。詳細はシステムチャートを参照のこと)
● FS-60CP ●
■製品特長
- 発展性は更なる境地へ
-
- ロングセラーの2枚玉フローライトアポクロマート鏡筒 「FS-60CB」の接眼部を換装し、新型の高性能レデューサーに対応したモデル。
- 対物レンズ設計に変更はないが、「FUレデューサー」を取り付けた際には、 色収差、湾曲収差の面で非常に優れた結像性能を持つ焦点距離 230mm/F3.8の高性能アストロカメラとなる。
- 「FC/FS マルチフラットナー1.04×」や「エクステンダーCQ1.7×」といった現行の補正レンズ にも対応。FSシリーズの魅力である多目的性を維持しつつ、より撮影向きにシフトした屈折望遠鏡。
(※眼視の場合、標準状態では無限遠にピントは合わないため、別売の「50.8 延長筒」または「天頂ミラー 50.8」、「天頂プリズム31.7MC 」を使用のこと。詳細はシステムチャートを参照のこと)
● 使用環境に適合する同時発売のアクセサリー「鏡筒バンド95WB」「アリガタ220B」「マルチCAリング65D」「M55.9 延長筒L30」 ●
- ■ 製品特長
-
- 「鏡筒バンド95WB※」と「アリガタ220B」は、鏡筒径の変更に際して軽量化したアルミ切削タイプ。バンドに対するアリガタの取り付け位置は前後方向に大きく可動できるため、重量のあるカメラを取り付けた場合の重心移動にも対応。アリガタ220Bは従来の弊社の規格とは異なり、底面幅44mmの幅狭タイプを採用。
- 「マルチCAリング65D」は、今回発売の鏡筒3機種に現行の補正レンズを対応させることができる。「M55.9 延長筒L30」は、取り付けることで「FC/FSマルチフラットナー1.04×」にも対応できる。
(※鏡筒保持の際は、鏡筒外径φ95mm部分(前後方向の長さ82mm)に鏡筒バンドを取り付ける。既存の「鏡筒バンド95S」を使用した場合、固定は可能だが前後幅が大きく、φ95mm部分からはみ出して取り付ける形となる。そのため新製品「鏡筒バンド95WB」の使用を推奨。システムチャートを参照の上、用途に合ったものを選択のこと)
- ● 使用環境に適合する同時新発売のエクステンダー ●
-
- 今回発売するFC-76DP鏡筒を始めとする3鏡筒は、拡大撮影には9月発売の新製品「オルソエクステンダー2×」、タカハシラインナップとして初の拡大率4倍の「オルソエクステンダー4×」を使用することができる。中心像の収差増大を抑えつつ更に引き伸ばし、迫力ある高倍率撮影を楽しめる。観望の際も、オルソエクステンダーの利点を活かしたシャープな見え味が堪能でき、月や惑星の観察にも適している。
(※「オルソエクステンダー」を使用の場合、無限遠にピントを合わせる為に「50.8延長筒(別売)」が必要。詳細はシステムチャートを参照のこと)
- ■主な仕様
-
- 商品名:FCT-65D
- 形式:3群3枚フローライトアポクロマート
- 鏡筒名称:FCT-65D
- 鏡筒外径:φ95mm(フードφ80mm)
- 有効口径:φ65mm
- 鏡筒全長:403mm
- 焦点距離:400mm
- 口径比:1:6.2
- ファインダー:別売(6×30推奨)
- 質量:約1.9kg
- ■主な仕様
-
- 商品名:FC-76DP
- 形式:2群2枚フローライトアポクロマート
- 鏡筒名称:FC-76DP
- 鏡筒外径:φ95mm(フードφ95mm)
- 有効口径:φ76mm
- 鏡筒全長:592mm
- 焦点距離:570mm
- 口径比:1:7.5:
- ファインダー:別売(6×30推奨)
- 質量:約2.3kg
- ■主な仕様
-
- 商品名:FS-60CP
- 形式:2群2枚フローライトアポクロマート
- 鏡筒名称:FS-60CP
- 鏡筒外径:φ95mm(フードφ80mm)
- 有効口径:φ60mm
- 鏡筒全長:361mm
- 焦点距離:355mm
- 口径比:1:5.9
- ファインダー:別売(6×30推奨)
- 質量:約1.8kg
- ■主な仕様と価格
-
- 商品名:鏡筒バンド 95WB
- 付属品:
- バンド上下セット 2 組(274g)
- スティックネジ 4本付属(88g)(鏡筒固定用)
- M6×12キャップボルト 4本(アリガタ取付用)
- M6×16キャップボルト 4本(スティックネジと交換用の鏡筒固定ネジ)
- 六角レンチの付属はなし
- 価格:19,800円(税込)
- 商品コード:KA11420
- 発売日:9月27日(金)
- ■主な仕様と価格
-
- 商品名:アリガタ220B
- アリガタ本体 1本(長さ:220mm、幅:44mm、厚さ:16mm、重さ:175g、20mm 間隔で貫通穴を配置)
- M6×12キャップボルト 4本(鏡筒バンド取付用)
- M4×5キャップボルト 4本(脱落防止ネジ)
- 1/4 インチカメラネジ対応
- 六角レンチの付属はなし
- 価格:4,950円(税込)
- 商品コード:KA11423
- 発売日:9月27日(金)
- ■主な仕様と価格
-
- 商品名:マルチCA リング65D
- 価格:4,400円(税込)
- 商品コード:KA11203
- 発売日:9月27日(金)
- ■主な仕様と価格
-
- 商品名:M55.9 延長筒L30
- M55.9 P=0.75ネジ 光路長30mm
- カメラ回転装置Sの対物側には、(リングが干渉して回転機構が機能しないため)取り付けはできない。
- 価格:3,300円(税込)
- 商品コード:KA18006
- 発売日:9月18日(水)
〈参照〉
- 株式会社高橋製作所:FCT-65D/FC-76DP/FS-60CP発売のお知らせ
〈関連リンク〉
- 株式会社高橋製作所
- タカハシYouTube公式チャンネル:【新製品】新型鏡筒 FCT-65D・FC-76DP・FS-60CP & FUレデューサーシリーズ 公式プロモーションビデオ
関連記事
- 2024/10/03 大口径対物レンズ搭載のEDアポクロマート屈折望遠鏡、Askar「203APO 鏡筒」新発売
- 2024/09/30 Sky-Watcherの天体撮影用鏡筒「HAC125」が新発売
- 2024/09/27 タカハシから高倍率天体観測の新時代を拓くオルソエクステンダー新発売
- 2024/09/16 ペッツバールアストログラフ「SQA55 鏡筒」と「カラーマジックCフィルターセット48mm」が新発売
- 2024/07/18 天体写真撮影&電視観望用イメージングニュートン反射鏡筒が登場
- 2024/06/19 全面シャープな星像 William Opticsの7枚玉アストログラフ
- 2024/06/14 移動観測可能な大口径屈折「Askar185APO」と専用アクセサリー新発売
- 2024/05/18 ビギナーに最適な望遠鏡セット「VOYAGER MAK70FAST」新発売
- 2024/05/16 Sky-Watcherの太陽観測専用望遠鏡「ソーラークエスト 804」発売
- 2024/05/09 ケンコー・トキナー、MOEBIUS鏡筒用72mmフローライト対物レンズを新発売
- 2023/06/16 天体望遠鏡も作れる!ナノブロックの新シリーズ
- 2021/09/15 愛機は触って選びたい「サイトロンジャパン大阪ショールーム」オープン
- 2020/10/16 公式ブログ:幻のアストロアーツ望遠鏡で火星観望!
- 2020/08/13 コンパクトな屈折鏡筒「SHARPSTAR 61EDPH II」新発売
- 2020/07/13 タカハシ「ε-160ED鏡筒」新発売
- 2020/06/03 タカハシ「EM-11 TEMMA3赤道儀」6月発売予定
- 2020/04/30 EDアポクロマートレンズ採用「スマホ天体望遠鏡 PaPANDA UD*eco」発売
- 2020/03/06 サポーターになって子供たちに星空を届けよう
- 2019/06/12 口径25cmドブソニアン望遠鏡「Sky-Watcher ドブソニアン望遠鏡 DOB GOTO 10 Wi-Fi」新発売
- 2018/07/30 コンパクトなフォトビジュアル鏡筒「ビクセン FL55SS鏡筒」発売