若田さんと古川さん、2022年以降にISS長期滞在
【2020年11月25日 JAXA】
JAXAの若田光一さんと古川聡さんが、それぞれ2022年ごろと2023年ごろ国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することが決定した。
現在JAXA理事で宇宙飛行士でもある若田光一さんは、これまでに4回の宇宙飛行を経験し、2014年には日本人初のISS船長(コマンダー)を務めた。次回の滞在で、ISS長期滞在は3回目となる。また、古川さんは2011年にISSに長期滞在し、2014年からはJAXA宇宙医学生物学研究グループ長を務めている。
(左)若田光一さん、(右)古川聡さん(提供:JAXA、以下同)
発表を受けて若田さんは「様々な経験を通して学んだことを確実に活かし、『きぼう』日本実験棟での成果の創出を通して日本のプレゼンスをさらに高め、その成果を月面探査へシームレスに繋げていけるように努力したい。また、世界各国の宇宙飛行士の中で、和の心を大切にし、リーダーシップを発揮して、ISSの利用成果を最大化することに貢献できるよう訓練と準備を進めていきたい」と抱負を語っている。
古川さんは「人類が月、さらに火星を目指すときに解決すべき課題として、宇宙滞在における無重力による骨格筋萎縮、骨量減少、閉鎖環境による体内リズムの不調、放射線被曝などのリスクがある。今後は研究の被験者という立場から宇宙医学、引いては人類の活動領域の拡大に貢献していきたい。また、宇宙医学に限らず、様々な科学実験のオペレータとして地上生活や宇宙探査活動に役立つよう、国際クルーの一員として、医師の背景を活かして貢献していきたい」と抱負を語っている。
《宇宙航空研究開発機構 山川宏理事長談話(抜粋、要約)》
若田宇宙飛行士は4回の宇宙飛行の経験があり、2014年には日本人初となるISS船長を務めました。古川宇宙飛行士は2011年に宇宙飛行を行い、165日間のISS長期滞在において、「きぼう」での実験等を担当しました。両宇宙飛行士が有する、宇宙飛行士としての経験や各々のバックグラウンドを活かした専門知識等は、国際的にも高く評価されています。
本年7月、文部科学省とNASAにおいて、日米月探査協力に関する共同宣言が署名されました。今後、日米間での月探査協力が推進され、月周回有人拠点「Gateway」および月面での日本人宇宙飛行士の活動機会を可能とするための取り決めが策定されていくものと承知しており、JAXAでは、来年の秋ごろを目途に日本人宇宙飛行士の新規募集を開始します。
JAXAは、引き続き、日本人宇宙飛行士のISSへの長期滞在を通じて有人宇宙活動の実績を重ね、宇宙探査等の国際協力においても、我が国が様々な役割においてリーダーシップを発揮できるよう新たな技術や知見の蓄積を行っていく所存です。
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