【レポート】好天に恵まれたグアム金環日食

このエントリーをはてなブックマークに追加
12月26日にグアムで見られた金環日食の観測レポート。

【2019年12月26日 アストロアーツ

レポート:上山治貴(アストロアーツ)

2019年12月26日、クリスマスホリデーで賑わう快晴のグアムにて、3分を超える金環日食を満喫した。

今回は日食ツアーではなく個人手配でグアムを訪れる方が多かったようだ。街中や観測場所のビーチでは旧知の天文ファンや、見るからに日食目当ての日食ファンに出会った(前日の15時ごろにビーチを普段着で歩きながら、西の空を見てロケハンをしていれば、日食目当て以外は考えられない)。多くのホテルが集まるタモン地区を日食の中心線が通るだけに、日食ファンの人口密度も高くなるというものだ。

ビーチで撮影をしていると、数名の海水浴客が覗きに来た。多くの観光客は金環日食には関心がないようで、彼ら彼女らも日食があることは知っていたものの、日食グラスなどは持っていなかったようだ。カメラの液晶パネルに写る太陽像に感激の声を上げていた。

筆者が観測したフジタビーチでは、現地時間15時33分54秒に日食が始まった。約80分後の16時54分36秒に金環食がスタートし、約3分2秒間、太陽の輪っかを堪能することができた。


金環日食(右:第2接触/中:日食最大/左:第3接触)。画像クリックで表示拡大(撮影:上山治貴、以下同)

太陽はそのまま丸い形に戻ることなく、17時50分ごろには岬の陰へと沈んでいった。


欠けたまま沈む太陽

この間、メインの望遠レンズのデジタルカメラは「エクリプスナビゲータ4」による制御で、日食の全過程を撮影。とくに第2接触、第3接触の時にはバースト撮影を行い、連写してベイリーズビーズの変化を追いかけた。エクリプスナビゲータを使うと撮影が自動化できるので日食観察に集中することが可能になり、肉眼で双眼鏡で、光の環がつながる様子をじっくり楽しめた。

次回の日食は来年6月21日の金環日食となる(日本でも部分日食が見られる)。日本から近いところでは台湾が行きやすそうだ。また、12月14日(現地時間)には南米で皆既日食が起こる。今年は1月に部分日食、7月に南米で皆既日食、そして今回12月に金環日食と、日食ファンには忙しい一年だったが、来年もまた嬉しい忙しさを楽しめる一年になりそうだ。

関連記事