太陽系外惑星系の命名キャンペーン、日本からの提案は「カムイ」「ちゅら」採用

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太陽系外惑星命名キャンペーンの結果が発表され、112の惑星系に名前が付けられた。日本に割り当てられた惑星系では恒星に「カムイ」、惑星に「ちゅら」という名前が採用されている。

【2019年12月23日 国立天文台

国際天文学連合(IAU)は2015年に「太陽系外惑星命名キャンペーン」を実施し、世界の様々な天文団体から提案された名前が恒星や惑星に付けられた(参照:「19の系外惑星系の名称決定 日本からも4案採用」)。

今年2019年、IAUの創立100周年を記念して2回目の太陽系外惑星命名キャンペーンが行われ、参加を表明した100以上の国と地域に対してそれぞれ、IAUから指定された1組の系外惑星系(恒星とその周りの惑星)の名称を提案する機会が提供された。

日本に割り当てられたのは、かんむり座の方向410光年の距離にある7等級の恒星「HD 145457」と、その周囲を巡る巨大ガス惑星「HD 145457 b」だ。この惑星系は、すばる望遠鏡と岡山天体物理観測所(当時)188cm反射望遠鏡を用いた観測によって2010年に発見されたものである(参照:「命名キャンペーン実施中、はるか遠くの惑星系の名付け親になろう」)。

国立天文台が中心となり、今年6月から9月にかけて名称案を募ったところ、総計696組の応募があった。この中から、選考委員会による審査・投票などによって最終案が選ばれ、11月にIAUへと報告された。

12月17日にIAUから結果が発表され、日本に割り当てられたHD 145457系の恒星名は「カムイ(Kamui)」、惑星名は「ちゅら(Chura)」となることが決定した。世界全体では112の国と地域が提案した名称が新たに付けられている。

かんむり座
かんむり座。黄色い丸に囲まれた恒星HD 145457に「カムイ(Kamui)」、その惑星に「ちゅら(Chura)」という名称が付けられた(撮影:大西浩次さん)

カムイはアイヌ語で「神」を意味する語に、ちゅらは沖縄・琉球語で「自然の美しさ」を意味する語に、それぞれ由来している。いずれも、日本における自然に対する尊敬と畏怖の思いが込められた名称であり、2019年が国際連合の定める「国際先住民族言語年」であることも勘案されている。

カムイとちゅらの想像図
カムイとちゅらの想像図(提供:国際天文学連合)

他の惑星系(一部)

国・地域 対象 恒星名 恒星名の由来 惑星名 惑星名の由来
イラク や座 HD 231701 Uruk メソポタミアの古代都市 Babylonia 歴史的な地域
オランダ アンドロメダ座 HAT-P-6 Sterrennacht ゴッホの絵画「星月夜」 Nachtwacht レンブラントの絵画「夜警」
韓国 こぐま座8番星 Baekdu 北朝鮮および朝鮮半島の最高峰「白頭山」 Halla 韓国の最高峰「漢拏山」
ギリシャ うみへび座 HAT-P-42 Lerna ギリシャ神話でヒドラが棲んでいた水地 Iolaus ヒドラ退治の際にヘルクレスを助けた人物
台湾(中華台北) しし座 HD 100655 Formosa 台湾の呼称の一つ Sazum 台湾の湖「日月潭」の呼称の一つ(水沙連)
中国(中国南京) こと座 HD 173416 Xihe 中国神話の太陽の女神「羲和」 Wangshu 中国神話の月の女神「望舒」
ネパール しし座 HD 100777 Sagarmatha 世界最高峰エベレストのネパール名 Laligurans ネパールの国花
メキシコ くじら座 HD 224693 Axólotl 「ウーパールーパー」として知られる水生動物 Xólotl アステカ神話の、宵の明星に関連する神

一覧は下記〈関連リンク〉の「Approved names」参照。