「はやぶさ2」、打ち上げ成功

このエントリーをはてなブックマークに追加
3日午後、小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられた。「はやぶさ2」は15時すぎにロケットから無事分離され、小惑星1999 JU3を目指す旅を開始した。

【2014年12月3日 JAXA

小惑星探査機「はやぶさ2」を載せたH-IIAロケット26号機が、3日13時22分4秒に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。打ち上げから1時間47分後、地球を1周した同ロケットは「はやぶさ2」を正常に分離した。その後、数分ごとに小型副衛星「しんえん2」(九州工業大学)、「ARTSAT2-DESPATCH」(多摩美術大学)、「PROCYON」(東京大学とJAXA共同)も、次々と切り離された。

H-IIAロケット26号機打ち上げのようす
H-IIAロケット26号機打ち上げのようす(提供:JAXA)

JAXA相模原キャンパスにおけるパブリックビューイングのようす
JAXA相模原キャンパス(神奈川県)で開催されたパブリックビューイングでは、初代「はやぶさ」の模型とともにファンが打ち上げを見守った。クリックでYouTube動画へ(撮影:アストロアーツウェブニュース編集部)


「はやぶさ2」は帰ってくる?こない? 探査機たちの行く末とは

いよいよ宇宙へと出発した「はやぶさ2」は、目標の小惑星1999 JU3を探査した後に2020年の地球帰還を目指す。するとまたあの「はやぶさ」初号機のように涙の大気圏突入となるのかというと、そうではない。予定では、小惑星のサンプルを収めたカプセルを投下後も自らは再び旅を続け、次の目標天体(未定)を目指すことになっている。

初代「はやぶさ」の場合は化学エンジンが故障していたためにやむをえずの大気圏突入となったが、劇的な地球帰還が広く関心を集めて以来、探査機=地球に帰るというイメージを持つ人も多いようだ。2010年打ち上げの金星探査機「あかつき」や先日史上初の彗星着陸を果たしたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の「フィラエ」に関しても、「帰ってこないの?」という声をしばしば耳にする。

そもそも「はやぶさ」「はやぶさ2」やNASAの彗星探査機「スターダスト」のように天体のサンプルを持ち帰るミッションでない限り、探査機が地球に戻ってくるのはとてもまれなことだ(地球に接近して重力を推進に利用する「スウィングバイ」は除く)。月探査機「かぐや」や木星探査機「ガリレオ」など、他天体を周回して探査を行うものは、その多くが制御可能な間に天体に落下させられる。火星探査車も、地表で動かなくなるまで探査を行った後は、そのままとなる。

一方、1つの天体について回らず目標天体に接近通過するだけで探査を行うものもある。こうした探査機はミッション終了後、惑星や小惑星と同じように太陽を中心とした軌道を半永久的に回ることになる。

また「地球へ戻る」のとは反対に、ふるさとから永遠に遠ざかっていく探査機もある。2013年、NASAの「ボイジャー1号」が人工物として初めて太陽圏を脱出したことが確認された。「グランドツアー計画」と呼ばれるボイジャーミッションは、惑星を通過探査すると同時にその重力を借りてスウィングバイを行ったが、これは打ち上げ当時の惑星の並びが絶妙だったために可能となったものだ。

「はやぶさ」の大気圏突入はプロジェクトの理想通りではなかったが、人類が探査機に託す「まだ見ぬ宇宙への憧れ」と「ふるさと地球への郷愁」という一見相反するものが実は一体であること、そして「宇宙に在る地球」というものを実感させる出来事だったのかもしれない。

初号機が戻れなかった宇宙へ、はやぶさは再び舞い上がった。

星ナビ12月号は「はやぶさ2」16ページ特集

星ナビ2014年12月号「はやぶさ2」特集
月刊星ナビ12月号は「はやぶさ2」特集+「はやぶさ」「はやぶさ2」両面ポスター付き

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉

〈関連製品・商品〉