藤川さん岩本さん、新彗星を独立発見

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香川県の藤川繁久さんと徳島県の岩本雅之さんが8日未明、新彗星を発見した。それぞれ独立発見が認められ、彗星には第一発見者のマックホルツさんとともに「マックホルツ・藤川・岩本彗星」の名前が付けられた。

【2018年11月12日 国立天文台

香川県の藤川繁久さんが11月8日午前4時45分ごろ(日本時、以下同)、おとめ座の方向に約12等級の新天体を発見し、国立天文台に報告した。

およそ30分後の午前5時11分ごろ、徳島県の岩本雅之さんも同天体に気付き、明るさが約10等級であることや彗星状であることを報告した。

岩本さん撮影の発見画像
岩本さん撮影の発見画像(提供:国立天文台リリースページより)

遊佐さん撮影の確認画像
遊佐徹さん撮影の確認画像

この新天体はアメリカのD. E. マックホルツさんが7日午後21時45分ごろに発見していた天体と同一であることがわかり、その後の追加観測によって新彗星であることが確認された。そのうえで、藤川さんと岩本さんの発見も独立発見であることが認められ、新彗星名は「マックホルツ・藤川・岩本彗星」(C/2018 V1; Machholz-Fujikawa-Iwamoto)となった。

藤川さんは過去にも多数の彗星や新星を発見してきた大ベテランの新天体捜索者で、彗星の発見は2002年12月の工藤・藤川彗星(C/2002 X5)以来だ。今回の彗星は、藤川さんの名前が付けられたものとしては7個目となる。なお、藤川さんの名前が付けられた最初の彗星は1969年8月発見の藤川彗星(C/1969 P1)だが、名前は付いていないものの実際にはそれ以前にも彗星を発見しており、今回の発見は藤川さんが50年にもわたり捜索活動を続けられていることを物語る成果でもある。

また、岩本さんの彗星発見は2013年3月の岩本彗星(C/2013 E2)以来で、岩本さんの名前が付けられた2個目の彗星となった。岩本さんもやはり40年以上の捜索経験をお持ちで、これまでに多数の小惑星を発見されている。

ちなみにマックホルツさんの名前が付けられた彗星は今回で12個目となる(2010年3月以来)。マックホルツさんの名前が付いた最初の彗星発見は1978年で、氏も40年以上の捜索歴を持つ大ベテランだ。

マックホルツ・藤川・岩本彗星は、11月20日ごろまでは明け方の東の低空に見え、7等台まで明るくなる見込みだ。その後、12月3日の近日点通過後は夕方の西の低空に姿を見せるようになる。明るさは12月中旬ごろまで7等台をキープするとみられる。星図は星空ガイドのページを参照のこと。