「はやぶさ2」着陸リハでターゲットマーカーの着地に成功

このエントリーをはてなブックマークに追加
「はやぶさ2」の第3回着陸リハーサルが行われ、高度12mまで降下することに成功した。ターゲットマーカーも初めて投下され、リュウグウ表面に着地した。

【2018年10月26日 JAXA

「はやぶさ2」の小惑星リュウグウへの着陸リハーサルはこれまでに2回行われ、10月15日の第2回リハーサルでは高度22.3mまで降下することに成功していた。

今回の第3回リハーサルでは、降下の最終段階(高度約40m以下)で距離計測に用いられる「LRF(レーザー・レンジ・ファインダー)」を使い、LRFで得られたリュウグウまでの距離や表面の傾きのデータを「はやぶさ2」の自律制御にリアルタイムで反映させながら降りるという、本番と同じ誘導方法が初めてテストされた。

リハーサルは10月24日12時(日本時間、以下同)に始まり、高度20kmのホームポジションから秒速40cmでリュウグウに降下していった。同日23時40分には高度約4500mで速度を秒速10cmに減速してさらに降下を続け、10月25日11時38分に、これまでで最も低い高度約12mに到達した。

最下点に到達する約1分前には、本番の着陸でも使われる「ターゲットマーカー」が初めて分離され、リュウグウの表面に着地した。「はやぶさ2」のカメラにターゲットマーカーが写ることも確認された。

リュウグウ表面のターゲットマーカー
「はやぶさ2」の光学航法カメラ(ONC-W1)で高度約20mから撮影された、リュウグウ表面のターゲットマーカー(緑色の円内の白い輝点)。右は探査機の影(提供:JAXA)

ターゲットマーカーは直径約10cmのボールで、着陸地点に投下して目印とするためのものだ。硬い球の中に小さな粒がたくさん入っていて、着地時にほとんどバウンドせずにすぐ静止する。また、表面には再帰性反射材が貼られているため、どの方向から光を当てても、当てた方向に光を反射するようになっている。本番の着陸では、投下したターゲットマーカーにフラッシュの光を当てながら「はやぶさ2」のカメラで撮影することで、探査機自身が自らの水平方向のずれを認識・修正しながら着陸する。

ターゲットマーカー
(左上)応援キャンペーンで募集された名前が縮小印字されたフィルム、(右上)名前が印字されたフィルムをターゲットマーカーの球に巻き付ける工程、(左下)ターゲットマーカーを再帰性反射材で覆う工程、(右下)完成したターゲットマーカー(提供:JAXA/撮影協力 NEC)

「はやぶさ2」の底面には5個のターゲットマーカーが装備されていて、今回はそのうちの1個を投下した。すべてのターゲットマーカーには、2013年に「星の王子さまに会いにいきませんか ミリオンキャンペーン2」で募集した約18万人分の名前が印字されたフィルムが縫い込まれている。自分の名前が印字されている位置はキャンペーンサイトで検索することができる。

今年の着陸リハーサルはこれで終了し、今後は3回のリハーサル結果を分析した上で来年の本番に臨む予定だ。

タッチダウンリハーサルの動画(提供:JAXA)

(文:中野太郎)