天の川銀河の周りに存在する宇宙最古の銀河

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天の川銀河の衛星銀河の一部が、宇宙がわずか1億歳だったころに形成された宇宙最古の銀河らしいことが明らかになった。

【2018年8月23日 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターダラム大学

米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのSownak Boseさんたちの研究チームにより、天の川銀河の周囲を公転する小さい衛星銀河のうちのいくつかは宇宙の歴史の中で最も初期のころに形成された、宇宙最古の銀河であることが示唆された。

Boseさんたちは以前の研究で銀河形成をモデル化し、「再電離」と呼ばれる物理過程の影響が矮小銀河の光度関数(どのくらいの明るさの銀河がどのくらいの数存在するか)に現れることを示した。そして、この光度関数の形が、谷で区切られた、非常に暗い矮小銀河の山と明るい矮小銀河の山のようになることを明らかにした。

衛星銀河の分布 //コンピューターシミュレーションで再現された衛星銀河の分布。青い円内は明るめの銀河、白い円内は超低光度の銀河(提供:Durham ICC/HITS/MPIA/Auriga/S. Bose et al.)

このモデルの予測と、天の川銀河などの衛星銀河の観測から得られた光度関数とは、よく一致している。この理論どおりに矮小銀河の形成が起こったと考えると、非常に暗い矮小銀河は「宇宙の暗黒時代」の終わりごろ、宇宙誕生から1億年後くらいにあたる時期に作られたもので、それよりは明るい矮小銀河はさらに数億年後の時期に作られたものとみられる。

天の川銀河の衛星銀河では、「Segue-1」「うしかい座矮小銀河」「きょしちょう座矮小銀河II」「おおぐま座矮小銀河I」といった矮小銀河が非常に暗く、先の年代に作られたグループのものと考えられる。つまり、天の川銀河のすぐそばに、宇宙の歴史の中で最初期に作られた矮小銀河が存在しているということになる。

「今回の成果は、天の川銀河の周りに存在する最小クラスの矮小銀河の観測が、どのように初期宇宙の理解に役立つのかということを示す、素晴らしい一例となりました」(英・ダラム大学コンピューター宇宙論研究所 Alis Deasonさん)。

〈参照〉