2つの太陽を持つ木星サイズの系外惑星

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系外惑星探査衛星「ケプラー」の観測により、これまで連星系に発見された中では最大のものとなる系外惑星「ケプラー1647b」が見つかった。1100日以上をかけて2つの太陽の周りを回っている。

【2016年6月15日 NASA

ケプラー1647は、はくちょう座の方向約3700光年の距離に位置する、太陽より少し大きい星と少し小さい星からなる連星系だ。この連星系の周りに見つかった系外惑星ケプラー1647bは木星と同じくらいの質量と半径を持っており、惑星が主星の前を通り過ぎる現象(トランジット)を起こしている「周連星惑星」としては、これまで発見されているうちでは最大のものとなる。年齢は約44億歳で、約46億歳の地球とほぼ同じだ。

これまでにケプラーが発見した周連星惑星の大きさの比較
これまでに探査衛星「ケプラー」が発見した周連星惑星の大きさの比較(提供:Lynette Cook)

ケプラー1647bは、これまでにトランジット法で確認されている系外惑星の中では最長となる1107日の周期で2つの親星の周りを回っている。この長い公転周期のため、大きな惑星であるにも関わらずこれまで発見されてこなかったようだ。

また、惑星は連星から約4億km(太陽系では小惑星帯のあたり)離れており、これまで見つかったどの周連星惑星よりも親星から遠い。この距離はちょうどケプラー1647系のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)に当たっているが、ケプラー1647bは木星のようなガス惑星なので生命が存在する可能性はなさそうだ。もし惑星の周りに大きな衛星が存在すれば、そこには生命に適した環境があるかもしれない。

「生命を育めるかどうかはさておき、ケプラー1647bは重要な存在です。理論的に存在が予測されている長周期の周連星惑星の、氷山の一角だからです」(米・サンディエゴ大学 William Welshさん)。