地球に似た軌道を持つ惑星の誕生現場を若い星の周りで初観測

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アルマ望遠鏡による観測で、若い星を取り巻く原始惑星系円盤において、中心から太陽・地球間に相当する距離のところに隙間が見つかった。この隙間は、地球とよく似た惑星、あるいはもう少し大きな「スーパーアース」が、まさに今生まれている現場かもしれない。

【2016年4月5日 アルマ望遠鏡

うみへび座TW星は地球から175光年の距離にある約1000万歳の若い天体で、その周囲には原始惑星系円盤が広がっている。太陽系が誕生してから1000万年ほどたったころの姿に似ていると考えられている星で、円盤を真正面から見ることができるという好都合な点もあり、さかんに観測が行われている。

この星の周りにある塵が放つ微弱な電波をアルマ望遠鏡でとらえた観測で、円盤の構造が非常に詳細に撮影された。何よりも目をひくのは、中心から約1.5億km(太陽から地球の距離)のところに見つかった隙間だ。

うみへび座TW星の周りの原始惑星系円盤
うみへび座TW星の周りの原始惑星系円盤。拡大図では星に最も近い円盤の隙間が写し出されている(提供:S. Andrews (Harvard-Smithsonian CfA), ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))

66台のアンテナで構成されているアルマ望遠鏡は、そのアンテナの間の距離を広げることによって解像度(視力)を高めることができる。今回の成果は、アンテナを14kmまで展開することにより達成された超高解像度である。

「円盤が詳細にとらえられ、同心円状の塵の帯と隙間がはっきり見えてきました。それは、地球に似た軌道を持つ惑星がここで作られていることを示唆しています。今回の画像は、アルマ望遠鏡で原始惑星系円盤の最も内側を撮影したものになります。これを超える画像は、そう簡単には出てこないでしょう」(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター Sean Andrewsさん)。

中心星から1.5億kmのところだけでなく、30億kmと60億kmのところにも隙間があることもわかった。これは、太陽系ではそれぞれ天王星や冥王星の軌道に相当する位置だ。これらの隙間も、形成途中の惑星が周囲の塵とガスを集めることにより作られた可能性がある。

アルマ望遠鏡は、うみへび座TW星よりさらに若いおうし座HL星(年齢は約100万歳)を取り巻く塵の円盤も非常に高い解像度で撮影し、惑星誕生の兆候をとらえている(参照:アストロアーツニュース「視力2000!アルマが見た惑星誕生の現場」)。研究者たちは、この2つだけでなく他の原始惑星系円盤にも似た構造があるかどうかを調べ、年齢や環境によってそれがどのように異なるのかを詳しく研究して、私たちが住む地球の形成過程をよりよく理解し、地球に似た惑星がどのくらい存在するのかという謎に迫ろうとしている。

原始惑星系円盤の想像動画(提供:National Science Foundation, A. Khan)