「滋賀天文のつどい2014」開催レポート

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毎年恒例の「滋賀天文のつどい」が10月5日に滋賀県草津市で開催された。講演会や発表会、さらに立命館大学の望遠鏡見学会などを通じて、県内天文ファンの交流と情報交換が活発に行われた。

【2014年10月14日 高橋進さん】

文:ダイニックアストロパーク天究館 高橋進さん

滋賀県では1993年から毎年、県内の天文施設を会場として「滋賀天文のつどい」が開催されています。1年に2回開催された年もあり、24回目となる今回は、今年4月に60cm反射望遠鏡が設置された立命館大学びわこくさつキャンパス(草津市)で開催されました。

滋賀天文のつどい2014 集合写真
県内の天文ファンが集まった「滋賀天文のつどい2014」(提供:ダイニックアストロパーク天究館)

10月5日の天文のつどいは、立命館大学理工学部の森正樹さんによる講演「60cm反射望遠鏡による天体観測」を皮切りに午後からスタートしました。立命館大学60cm望遠鏡は、ガンマ線バーストなど突発天体の観測を主要目的に設置された望遠鏡です。また平常時は太陽系外惑星や活動銀河核の観測も予定されており、最新の天文学での観測の話が行われました。

続いて参加者による研究発表では小惑星による恒星食の観測やデジカメによる食変光星の観測、小中学生400人による星空調査の報告、2014年の火星観測のまとめなど、さまざまな分野の観測家の皆さんによる発表と質疑応答が行われました。あいにくの台風接近のため60cm反射望遠鏡による天体観望会は天文台見学会に変更されましたが、最新の望遠鏡を前にして熱心な質疑が行われました。

「滋賀天文のつどい」は毎年秋の恒例行事として開催されています。今回は天文のつどい実行委員会と立命館大学理工学部との共催で開催され、立命館大学の同好会の草津天文研究会の有志の皆さんが受付を担当するなど、地元の天体愛好家と学生の皆さんの交流の場ともなりました。今後もこうした催しによって交流や情報交換を深め、観測研究や天文普及活動がさらに発展することを願っています。