「滋賀天文のつどい2016」開催レポート

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今年で26回目となる「滋賀天文のつどい」が11月13日に滋賀県甲賀市のかふか生涯学習館で開催された。研究発表や講演会などで多くの参加者でにぎわった。

【2016年12月7日 高橋進さん】

文:ダイニックアストロパーク天究館 高橋進さん

滋賀県では1993年から毎年、県内の天文施設を会場として「滋賀天文のつどい」が開催されていますが、今年は甲賀市にある公開天文施設の「かふか生涯学習館」で開催されました。

第1部は県内の天体観測家による研究発表会で、「火星のダストストームの発生メカニズムについて」「静止衛星を見よう」「小惑星による恒星の掩蔽2015」など6件の発表があり、参加者17名と発表者とで発表後にも熱心な討議が行われました。さまざまな分野で観測者が減ってきているとも言われていますが、滋賀県ではまだまだ熱心な観測者が活躍している事を実感させられました。

続いて第2部は一般の人にもさらに天文に親しんでもらおうということで、京都大学の齊藤昭則先生により「宇宙から見た大気光とオーロラ」という演題でお話をしていただきました。齊藤先生は甲賀市にある直径103mの京都大学MUレーダーで高層大気の研究をされると共に、地球等を球体スクリーンに投影するシステムのダジックアースの開発者としてもよく知られています。当日は地球高層大気と宇宙について映像をまじえてわかりやすくお話ししていただくと共に、講演の後には地球儀の工作も行い、会場一杯の82名の参加者とともに地球と宇宙の神秘を感じるひと時を過ごさせていただきました。

さらにつどい終了後には、かふか生涯学習館の25cm屈折望遠鏡で観望会を予定していましたが、あいにくの曇天のため天文台見学会に内容を変更して楽しんでいただきました。

滋賀天文のつどいは毎年秋の恒例行事として開催されています。こうした催しによりアマチュア天文家の交流や情報交換が進み、また市民の皆さんにも宇宙や天文に興味を持っていただけることを願っています。

滋賀天文のつどい2016 集合写真
集合写真(提供:高橋さん)

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