ガンマ線天文衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」が約22年の運用を終了

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2004年11月に打ち上げられたNASAのガンマ線天文衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」が約22年の運用を終え、11月4日に大気圏に再突入した。

【2026年11月6日 NASA Blogs/NASA】

NASAのガンマ線天文衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」(以下「スウィフト」)は2004年11月に打ち上げられた。主要ミッション期間は2年の計画だったが、20年以上にわたって運用された。ガンマ線バーストを検出すると位置を特定して他の天文台に知らせ、残光が消える前に約1分で望遠鏡を向けて観測する「バーストハンター」として、2000個以上のガンマ線バーストを検出した。超新星や超大質量ブラックホール、重力波源などの観測でも成果を挙げ、マルチメッセンジャー天文学に貢献した。

軌道上で観測を行うスウィフトの想像図
軌道上で観測を行うスウィフトの想像図(提供:NASA’s Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)

記録破りのガンマ線バースト

2005年5月、継続時間わずか0.03秒の「GRB 050509B」に素早く望遠鏡を向け、短いガンマ線バーストとして初めて残光(X線)をとらえた。短いガンマ線バーストが中性子星どうしの合体で起こるという理論を裏付ける成果だ。2009年には131億光年以上彼方のバーストを相次いで検出し、最遠記録を自ら更新した(参照:「観測史上最遠の爆発現象、GRB 090423」、「宇宙の最初期、131億光年先で起こったガンマ線バースト」)。2022年10月9日にNASAのガンマ線天文衛星「フェルミ」などとともに検出した「GRB 221009A」は、数千年~1万年に1度程度とされる観測史上最も明るいガンマ線バーストだった。

超新星、ブラックホール、キロノバ

2008年1月9日には、やまねこ座の方向約9000万光年の距離にある渦巻銀河NGC 2770で、超新星「SN 2008D」の爆発の瞬間をX線でとらえた。誕生の瞬間がリアルタイムで観測された初の超新星だ。2011年3月に検出した「Swift J1644+57」は、銀河中心の超大質量ブラックホールが恒星を引き裂いて飲み込み、ジェットを噴き出した現象であることがわかった。2017年の重力波「GW170817」では、スウィフトの紫外線・可視光線望遠鏡「UVOT」が中性子星合体後まもない熱的な放射をとらえ、その光が「キロノバ」であるという解釈を支えた。

約12テラバイトのデータ、論文は約7000本

公開アーカイブの観測データは約12テラバイトにのぼり、UVOTの画像は150万枚以上を含む。これらのデータをもとに約7000本の論文が発表されている。「スウィフトは2年間の主要ミッション向けに設計されながら、その10倍以上の期間にわたって成果を挙げ続けました。(中略)そして、今後数十年にわたって新たな発見を生み出す、類まれな多波長観測のアーカイブを残してくれました」(NASA天体物理学部門長 Shawn Domagal-Goldmanさん、一部引用)。

救援ミッションは実現せず

太陽活動の活発化で地球の上層大気が膨らんで大気抵抗が増したため、スウィフトの高度は打ち上げ時の約600kmから、2025年9月には約400kmまで下がっていた。NASAは民間企業Katalyst Space社と契約し、高度を引き上げるロボット宇宙機「LINK」を今年7月に打ち上げたが、LINKの姿勢制御の不具合により、スウィフトの捕獲と高度の引き上げは断念された。その後さらに高度が275km未満まで下がり、望遠鏡を安定して目標に向けられなくなったため、スウィフトは10月20日の観測を最後に科学ミッションを終了し、11月4日21時39分(日本時間)にインドネシア・北スマトラ上空で大気圏に再突入した。

組み立てが完了したスウィフトとNeil Gehrelsさん
組み立てが完了したスウィフトと、開発を率いた初代主任研究員の天文学者Neil Gehrelsさん(2003年9月、NASAゴダード宇宙飛行センターにて撮影)。2017年2月に亡くなったGehrelsさんにちなみ、2018年に「ニール・ゲーレルス・スウィフト」と改名された(提供:NASA)

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