水星の一番内部に存在する大きな固体核

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水星の最も内側に固体の核が存在することが、探査機「メッセンジャー」のデータとモデル計算から示された。直径は2000kmで水星全体の40%にも及ぶとみられている。

【2019年4月24日 NASA

水星の内部には地球と同様に金属の核が存在している。水星の核は体積比で85%にも及び、その割合は地球(16%)や他の岩石惑星と比べて圧倒的に大きい。

地球の核は金属が溶けた外核と固体の内核とに分かれているが、水星にも溶けた金属でできた核が存在する。これは地球からのレーダー観測によって水星の自転がふらつく様子を調べたことで明らかになったものだ。一方、水星の核の一番内側が固体かどうかははっきりしていなかった。

伊・ローマ大学ラ・サピエンツァのAntonio Genovaさんたちの研究チームは、NASAの水星探査機「メッセンジャー」のデータから水星の内部を探る研究を行った。水星の内部構造の違いによって探査機に及ぼされる重力の影響が変わるので、メッセンジャーの軌道を調べれば水星の密度分布がわかる。また、近い距離から観測することで、自転のふらつきも正確に調べることが可能になる。

水星
探査機「メッセンジャー」の観測データを元に作成された水星の擬似カラー画像。地表の化学組成や鉱物の分布などの違いに応じて着色されている。右上の円形部分は巨大な衝突地形のカロリス盆地(提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington)

メッセンジャーは2011年3月から約4年間ミッションを行い、その後半には水星の上空約190kmを、最終年には約100km未満という至近距離を飛行した。この低軌道飛行時の軌道や、水星の自転のふらつきを再現するようなモデルを計算したところ、水星の一番内側に固体の鉄の核が存在するに違いないという結果が得られた。データに最も良く一致するモデルによると、固体の内核の直径は約2000kmで、外核を含めた核全体の直径(約4000km)の半分ほどを占めている。

水星の内部構造を示したイラスト
水星の内部構造を示したイラスト(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

各惑星の核の似ている点、異なる点を理解することは、太陽系の形成や岩石惑星の変化を理解する手がかりになるかもしれない。「水星には、溶けた金属の外核によって生じる弱い磁場が存在しています。また水星の内部は、地球よりもはるかに急速に冷えました。地球の核が冷えると磁場がどう変化するのかを予測するうえで、水星の研究が役立つかもしれません」(Genovaさん)。

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