日本惑星協会が「火星観測週間」サイト公開、観測証を発行

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この夏に地球と大接近する火星を多くの方に見て知ってもらうため、日本惑星協会が「火星観測週間」のウェブサイトを公開した。いつ、どこで火星を見たかを報告すると、「観測証」PDFが発行される。

【2018年7月19日 日本惑星協会

文:井本昭さん(日本惑星協会)

2003年の火星大接近の際、兵庫県・西はりま天文台の研究員が中心となり、アマチュアの火星観測と、プロの火星研究(特に探査機「のぞみ」)を 結びつけようという企画がもち上がりました。その裾野への拡大キャンペーンとして、火星を観測した方に記念として「観測証」を発行するという企画「火星観測週間 Mars Week」を実施しました(残念ながらそのウェブサイトは現在残っておりません)。

当時、全国各地から学芸員、研究者、CGアーティスト、団体職員などが集い、日計40万のアクセスを超える反響をいただきました。そして、「次回の2018年も同様の企画を実施しよう」という約束をしたのですが、その約束を本日7月19日、ようやく果たせることとなりました。

今回は、2003年当時に観測証のデザインに加わった筆者(協会代表理事)が、当時実行者であった皆さんに声を掛けて開催に至った次第です。

今回の企画「火星観測週間 - Mars Week 2」では、火星の観測をウェブで報告いただくと、データを記載したPDFファイルを「観測証」としてお渡しします。この際、詳細なデータが必要となると報告をためらう方も少なくないと思われますので、「日時と観測場所」のデータだけを必須項目としています(その他のデータは任意です)。また、PDFは自動生成ではなく、人力でお一人お一人のデータから作成します。これがアウトリーチ活動の真髄と思っています。

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赤い惑星である火星は、古代から地球に住む人々の「畏れ、敬い、惑い」の対象とされてきました。これからも私たちは、赤く輝きながら東から昇る火星を、それぞれの深い想いを宿しながら見上げることでしょう。そして、有人探査の成り行きや火星上での無人探査の深化による発見で、広く神秘的な宇宙の深淵に対する関心をさらに強くしていくことでしょう。今回の火星大接近、観測報告キャンペーンを通じて、こうした関心が広がっていくことを期待しています。

受付期間は2018年9月2日(日)までの予定です(延長の場合あり)。多くのご報告をお待ちしています!

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