系外惑星の大気を解明 新カメラ「MuSCAT」が始動

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岡山天体物理観測所で昨年12月24日、系外惑星の発見と大気調査を目的として開発された新しい観測装置「MuSCAT(マスカット)」の最初のテスト観測が行われた。

【2015年1月6日 国立天文台 岡山天体物理観測所

岡山天体物理観測所(岡山県浅口市)の口径188cm反射望遠鏡に、国立天文台や東京大学などの研究グループが開発を進めてきた観測装置「MuSCAT」(マスカット:Multi-color Simultaneous Camera for studying Atmospheres of Transiting exoplanets)が新たに搭載された。この装置は系外惑星が主星の手前を通過する「トランジット」と呼ばれる現象を、青、赤、そして近赤外線の3つの波長帯で一度に高精度にとらえることができる。第二の地球とも呼べる新しい系外惑星の発見や、系外惑星がもつ大気の性質の解明につなげるのが観測の目的だ。

2014年12月24日にMuSCATのファーストライト(テスト観測)が行われ、超新星残骸のかに星雲(M1)などが撮影されたほか、装置の性能を評価するための試験データが取得された。MuSCATは今後4か月ほどかけてさらに試験観測と調整が行われ、今年後半から実際の科学観測に用いられる予定となっている。

MuSCATのファーストライトで撮影されたかに星雲
MuSCATのファーストライトで撮影されたかに星雲(M1)(提供:国立天文台)