逆行小惑星は太陽系外からの移住者だった

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太陽系初期を再現したシミュレーション研究により、他の天体とは逆向きに公転している小惑星「2015 BZ509」が太陽系外から移住してきた天体であることが判明した。

【2018年5月25日 RAS

地球を含めた惑星や無数の小天体のほとんどは太陽系の中を同じ方向に回っているが、小惑星「(514107) 2015 BZ509」は、他の天体とは逆方向に公転している。

小惑星「2015 BZ509」
巨大双眼望遠鏡(LBTO)がとらえた小惑星「2015 BZ509」(黄色い丸の中)(提供:C. Veillet / Large Binocular Telescope Observatory)

「木星に近い軌道を持つこの小惑星がどうして逆走しているのかは謎でした。もし太陽系で生まれたのなら、少なくとも当初は、惑星や小惑星が生まれる材料となったガスや塵の動きを反映して他の天体と同じ向きに公転していたはずです」(仏・コート・ダジュール天文台 Fathi Namouniさん)。

Namouniさんたちは、太陽系内で惑星形成が終わったころにあたる約45億年前にさかのぼるシミュレーション研究を行った。その結果、小惑星の公転の向きに変化は見られなかったことから、2015 BZ509は太陽系で生まれたのではなく、他の恒星系からやってきてとらえられた天体であることが示された。

「太陽が誕生した星団は密度がとても高く、個々の星の周りには惑星や小惑星が存在していたと考えられますから、他の恒星系からの小惑星の移住は起こり得ます。星同士が接近していると惑星の重力も働いて、恒星系同士の間で小惑星の引きはがしや取り込みが起こるのです」(ブラジル・サンパウロ州立パウリスタ大学 Helena Moraisさん)。

2017年、太陽系へやってきた初の恒星間天体として注目を浴びた「オウムアムア」は太陽系を通過して去っていったが、同じように太陽系の外からやってきた2015 BZ509は、そのまま太陽系内に居すわっている。

いわば太陽系の外からの「移住者」である小惑星の初の発見は、惑星形成や太陽系の進化に関わる未解決の問題、そして、おそらく生命そのものの起源にも重要な示唆を与えることになるだろう。