“進撃”のプラネタリウム

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コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine Cityおよび“天空”in 東京スカイツリータウンで、「進撃の巨人 IN THE DOME -兵士たちの星空-」が上映中だ。アニメも放映している大ヒット中の漫画と星空が、どのようにコラボレーションするのだろうか。

【2017年6月27日 星ナビ編集部

レポート:橋本京子さん(相模原市立博物館)

「進撃の巨人」とは、別冊少年マガジン連載の大人気漫画である。2013年と今年にはアニメ化もされた。舞台は、巨人の襲撃から身を守るための高さ50mもの巨大な壁に何重にも囲まれた街だ。そこに暮らすエレン、そしてミカサやアルミンを中心に、物語が進む。壁の内側だけの仮初めの平和に満足することに違和感を覚える彼ら。そしてその平和が、壁の高さをも超える巨人の出現により崩れ去る。その世界をドーム映像で表現しているのが、今回の「進撃の巨人 IN THE DOME-兵士たちの星空-」だ。

本番組のプロデューサーを務めたコニカミノルタプラネタリウムの石上暁音さんは原作のファンであり、この「進撃の巨人」を切り口に、今までプラネタリウムのドーム空間に足を踏み入れる機会が少なかった層も来るきっかけになればと考えているという。また、「壁の外へ好奇心」や、作中のセリフ「自分の死は次の生につながる」といった考え方は、宇宙の歴史やその成り立ちを知ろうと探求を続ける人たちの心意気にも通じるものがあるのではないかと考え、今回のドーム映像化を実現させたという。

石上さん
プロデューサーの石上さん

番組は、アルミンの「その日、人類は思い出した。ヤツらに支配されていた恐怖を……」というフレーズで始まる。そしてその直後、客席にいる私たちが「思い出した」側になっていることを認識できる体験が! 番組の案内ポスターやチラシに「一部に過激な映像を含む」という注意書きが入っているのはこのためだ。

投影イメージ
ドーム内へ入場すると、すでにドームスクリーンに映像が映し出されている。眼前はそそり立つ壁、背後は街並み。壁の中央には、ウォールマリアの紋章がはめこまれた門。原作やアニメを知る方であれば、この後ここで何が起こるか、容易に予想できる(© 諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会、Konica Minolta Planetarium Co., Ltd.)

“満天”の星はコニカミノルタプラネタリウムの恒星投影機「インフィニウムΣ」で美しく映し出される。巨人は夜には活動しないので、壁を守る兵士たちは安心して星空を見上げることができただろうか。

原作「進撃の巨人」は、その舞台の所在をはっきりさせていない。しかし番組内で投影されるのは我々の見慣れた星空で、そのため、少しではあるが星座について知ることもできるようになっている。うしかい座やヘルクレス座に、巨人化したエレンを想起させるオリジナルイラストが当てはめられ、さらにそれらがアニメーション版のそれぞれ印象的なシーンと結びついて、迫力あるドーム映像として繰り広げられる。20分の上映では、「プラネタリウムコンテンツ」といえるほど星空解説があるわけではなく、といって「アニメコンテンツ」というほどストーリーがあるわけでもないが、このような組み立てにしたことに、一種のチャレンジを感じる。

石上さんは、「そそり立つ壁を見上げられるのは、ドームスクリーンを有するプラネタリウム空間ならでは。それを体験してほしい」と言う。興味が湧いたらご観覧を。その際の座席は、可能なら前の方を選ぶことをお勧めしたい。また、星ナビ9月号(8月5日発売)にて番組にかける制作陣の意気込みもお届けする予定だ。

投影イメージ
観覧席にいる我々は、言わば巨人の近くで腰を抜かしている状況だ。身長数mの巨人を見上げ、また薄気味悪い容貌の巨人に見下ろされる。巨人と対峙する兵士たちはこんな壮絶な体験をしたのか、と感じられることだろう(© HK/AOT)

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