毎年恒例のエイプリルフール、今年から旧暦四月一日に
【2017年4月1日 アストロアーシ】
4月1日といえばエイプリルフール。アストロアーシでも毎年この日に天文・宇宙に関するネタを掲載してきました。しかしながら日本古来の伝統文化をリスペクトしようという考えに基き、今年からエイプリルフールの記事公開を旧暦の四月一日に行うこととしました。
決して、
- ネタを準備する時間がない。
「年度末で忙しいから今年はムリ」と一旦断っても「今年もやるよね?」というプレッシャーを受け続け結局3日前になってネタを絞り出すのが大変。
とか、
- ネタが被る。
「皆既日食ツアー、アメリカ入国禁止で危機」というネタも検討したが、他にもトランプネタが多いことが予想され、他媒体と同じ日にやってもあまり宣伝にならない。
といった理由ではありません。今日の記事を楽しみにしていただいた皆様にはご期待に沿えず深くお詫び申し上げます。旧暦四月一日にはきっと面白い記事を掲載いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければ幸いです。
旧暦の四月一日の求め方
旧暦(本記事中では天保暦をもとにしています)の四月一日の日付はどうすればわかるの? という疑問については、「『小満』の直前(当日を含む)の新月の日」と覚えてください。2017年は5月21日が小満で、その直前に新月となる4月26日が、今年の旧暦四月一日です。
小満(しょうまん)とは、夏至、春分、立秋などと同様に1年を24の期間に分ける「二十四節気」の一つで、毎年5月21日ごろがこれに当たります。小満は旧暦四月内と決まっているので、その直前の新月が旧暦四月一日となるわけです。ちなみに、「伝統的七夕」や「中秋の名月」などの日付も、二十四節気と月のめぐりの組み合わせで決まります。
地球から見て太陽がおうし座方向の特定の位置に来るのが「小満」。毎年5月21日ごろに当たる(ステラナビゲータで星図作成、以下同)
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」を使って調べよう
天体シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」で、旧暦の日付を調べることができます。
簡単編
ステラナビゲータの「クイックアクセスバー」では、設定した日付の旧暦日付や二十四節気、月齢を表示してくれるので、旧暦四月一日の日付がすぐにわかります。
ステラナビゲータの「表示」メニューから「クイックアクセスバー」を表示。「今日の暦」で月齢や旧暦日付、二十四節気などを表示する。クリックで画像拡大
じっくり編
今度は「今日の暦」に頼らず、天体の位置から確かめてみましょう。
まず、「小満」、つまり地球の中心から見た太陽の位置が黄経60度になる日を下記の手順で調べます。
- 現在位置を地球の中心に設定します。
「設定」メニュー→「コマンド入力」で「コマンド入力」ダイアログを表示し、入力欄に「location = location(0,0,-6378137)」と入力して「OK」を押す - ステラナビゲータの星図を黄道座標に切り替えます。
「設定」メニュー→「表示形式」→「黄道座標」で黄道座標表示に。「天体」メニュー→「経緯線」→「黄経・黄緯」オンで黄経黄緯線が表示される。クリックで画像拡大 - 5月20日、21日ごろ、太陽がぴったり黄経60度の位置に来るのはどの日かを確かめます。
星図上の「ステラパッド」に表示される日付・時刻の数字をクリックして時間を進め、太陽が黄経60度の線に重なる日を調べる。太陽をクリックすると表示される「天体情報パレット」で正確な黄経がわかる。クリックで画像拡大
太陽の「黄経(視位置)」が60度になるのは5月21日であることがわかります。つまり、2017年の小満は5月21日です。
次に、小満直前の新月の日、つまり地球中心から見た太陽と月の視黄経が一致する日はいつか、下記の手順で調べます。
- 小満の日から時間をさかのぼり、太陽と月の黄経が一致する日を確かめます。
「ステラパッド」の日付・時刻を右クリックして時間をさかのぼり、太陽と月が縦に並ぶ日を探る。クリックで画像拡大
太陽と月それぞれをクリックすると、天体情報パレットで正確な黄経を確かめることもできる。クリックで画像拡大 - 2017年の小満直前の新月は4月26日、つまりこの日が旧暦の四月一日ということがわかりました。
旧暦四月一日のエイプリルフールを楽しむのに便利な「ステラナビゲータ」。だましだまされた後に、月明かりのない心洗われるような星空を眺めるのにも役立ちます。
(※)記事中、新暦(現在のカレンダー)の日付は算用数字で、旧暦の日付は漢数字で表記しています。
この記事は2017年4月1日にエイプリルフール記事として公開したものです。旧暦の四月一日の調べ方については真実です。
〈関連リンク〉
- 国立天文台 暦計算室
- 国立天文台: よくある質問と回答「「旧暦」ってなに?」
- Wikipedia: 小満
- アストロアーツ: ステラナビゲータ
関連記事
- 2025/03/17 公式ブログ:【16年ぶりの現象】土星の環が消える!【ステラナビゲータで再現】
- 2025/03/03 天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ12」12.0hアップデータ公開 オーロラシミュレーションの追加と一部不具合の修正
- 2025/02/21 CP+2025にアストロアーツ出展、星ナビ編集部の講演も2本
- 2024/12/25 「ステラナビゲータ11」、1月30日にサポート期間終了
- 2024/12/05 12月10日にYouTubeライブ「ステラナビゲータでシミュレーション ふたご座流星群&プレアデス星団食」
- 2024/11/19 11月26日にYouTubeライブ「ステラナビゲータで土星食をシミュレーション」
- 2024/11/15 星空のもとで癒しのひと時 22日に「熟睡プラ寝たリウム」オンライン配信
- 2024/11/12 天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ12」12.0gアップデータ公開 データの拡充と安定性・正確性の向上
- 2024/10/04 10月11日にYouTubeライブ「ステラナビゲータで紫金山・アトラス彗星を100倍楽しむ!」
- 2024/07/30 8月6日にオンライン無料講座「ステラナビゲータでペルセウス座流星群に備えよう」
- 2024/07/26 8月2日にYouTubeライブ「ステラナビゲータの番組エディタを使ってみよう!」
- 2024/07/24 季節の星や星座を楽しめるプラネタリウム番組を無料で公開
- 2024/07/12 公式ブログ:【ステラシリーズ】ビクセン「ワイヤレスユニット」に完全対応!
- 2024/07/05 金井三男さんの星ナビ「こだわり天文夜話 最終話」とステラナビゲータ番組「世界の星座」を特別公開
- 2024/07/02 7月9日にYouTubeライブ「ステラナビゲータのカスタムコントロールを使ってみよう!」
- 2024/06/27 天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ12」12.0fアップデータ公開 ビクセン「ワイヤレスユニット」に対応
- 2024/06/20 公式ブログ:E-ZEUS IIをステラシリーズで使おう
- 2024/06/14 星ナビ付録「星空未来チェックノート」の現象をステラナビゲータでシミュレーション!
- 2024/04/10 天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ12」12.0eアップデータ公開 平安時代の天文現象を再現
- 2024/03/28 4月3日にYouTubeライブ「ステラナビゲータでポン・ブルックス彗星を楽しむ!」