宇宙は誕生5.5億年後に再電離 従来の説より1億年遅く

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欧州の天文衛星「プランク」の観測により、宇宙の再電離が起こったのは宇宙誕生から5.5億年後であることがわかった。これまで考えられていたよりも1億年遅い時期となる。

【2015年2月9日 ヨーロッパ宇宙機関

生まれたばかりの宇宙は電子や陽子やニュートリノが密集して飛び交う高温のスープのような場所だったが、誕生から38万年後、宇宙が膨張して冷えるにしたがって電子と陽子が結びつき中性水素が作られた。空間を通り抜けられるようになった「宇宙最初の光」が放たれ、これが現在の空に広がる「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB)として観測されている。

欧州の天文衛星「プランク」による観測から、このCMBに刻まれた原始宇宙のさまざまな出来事が明らかにされている。その1つとして今回、宇宙の再電離と呼ばれる現象が宇宙誕生から5.5億年後に起こっていたことがわかった。宇宙で最初の星々の光によって中性ガスが電離され、自由になった電子がCMBのもととなる光とぶつかった痕跡が、CMBの偏光(光の振動の向きが揃うこと)パターンとして見つかったのだ。

これまで、再電離が起こったのは宇宙誕生から4.5億年後とされていたが、ハッブル宇宙望遠鏡で観測された宇宙誕生3、4億年後の銀河では、再電離を起こすにはじゅうぶんではなかった。今回の成果は、この矛盾を解消するものだ。

遠方のクエーサーや銀河の観測から、再電離は宇宙誕生から9億年後に完了したことがわかっている。

CMB偏光
プランクが観測したCMBの偏光(提供:ESA and the Planck Collaboration)