ステラナビゲータで天文考証 絵本『よぞらの おまつり』

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絵本『よぞらの おまつり』の制作にステラナビゲータが使われた。制作陣の星空づくりに迫る。

【2026年7月6日 星ナビ編集部

※レポート:原 智子(星ナビ2026年8月号「News Watch」より抜粋)

長年「ほんナビ」コーナーを担当していると、星空や宇宙をテーマにした絵本を読む機会がある。星空案内が中心の場合は、星図を図案化したイラストが描かれるケースが多い。一方で物語が中心の場合は、星空をイメージした白い点がランダムに描かれるケースが多い。福音館書店が今夏に刊行する「ちいさなかがくのとも」2026年8月号『よぞらの おまつり』は、物語絵本でありながら星空を正しく描いた意欲的な一冊だ。

『よぞらの おまつり』書影 『よぞらの おまつり』 ちいさなかがくのとも(2026年8月号)書影

物語の設定は、2026年8月13日。「夕暮れの場面で絵の中央が南なら、残照は右下の方がより明るい」「場面ごとのつながりを保つと、この方向に見える星の並び方と大きさはどうなるか」。このような天文情報をすり合わせるために天文監修の松濤誠之さんが活用したのが、アストロアーツ開発の天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」だった。「星の名称や星座線など、必要な項目を選べる自由度の高さが便利だった。にじみ星の機能を使い、星の位置や色を強調してわかりやすく示す方法も役立った」と語る。

『よぞらの おまつり』イラスト 『よぞらの おまつり』の原画。何度も修正を重ねて辿り着いた星空だ

『よぞらの おまつり』ステラナビゲータ再現 作者が設定した方向の天体をステラナビゲータで印刷し、ラフ画の人物部分を重ね合わせて情報共有する

クライマックスで描かれた流れ星は、しっかりペルセウス座方向からやってきて、兄弟の視線の先で明るく光る。絵本を閉じたあと子どもたちはきっと「自分も“よぞらのおまつり”を見たい」と思うだろう。いつかこの絵本を読んだ子どもが成長したとき「あの星は本当の並びだったんだ」と気付いたら、それは制作陣が絵本に託した、もう一つの贈り物が届いた瞬間なのかもしれない。

詳しいレポートは星ナビ2026年8月号 にて。

『よぞらの おまつり』 ちいさなかがくのとも(2026年8月号)

  • 中村 文 文/平澤朋子 絵
  • 福音館書店
  • 23×20cm、24ページ
  • 定価500円

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