スマホでの天体観測・撮影を可能にする「Hestia」発売

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サイトロンジャパンが、スマートフォン用天体観測・撮影光学システム「Hestia」に太陽観測用アクセサリーを同梱したアルティメット・パックと、太陽観測用アクセサリーなしのスタンダードパックを新発売。

【2025年6月4日 星ナビ編集部

サイトロンジャパンが、仏・Vaonis(ヴァオニス)社製のスマートフォン用天体観測・撮影光学システム「Hestia(ヘスティア)」に太陽観測用アクセサリー(太陽フィルター、シェード、太陽ポインター)と三脚とキャリングケースを同梱した「Hestia アルティメット・パック」と、太陽観測用アクセサリーが付属しない、三脚とダストカバーを同梱した「スタンダードパック」を新発売。

Hestiaは、フランス生まれのスマートフォン用天体観測・撮影光学システム。スマートフォンを装着して、スマホのカメラでHestiaの光学系をコリメート撮影するというもの。スマホカメラの焦点距離が約25倍になり、月や太陽(※)などの天体のディテールまで鮮明にとらえることができる(※太陽の観測は「アルティメット・パック」のみ対応)。

Hestia
(左)三脚にセットしたHestia、(右)スマートフォンを装着したHestia(※スマートフォンは商品に付属しません)(提供:株式会社サイトロンジャパン、以下同)

■「Hestia アルティメット・パック」の概要
  • ブランド名:Vaonis
  • 希望小売価格:オープン価格
  • 予想市場価格:税込70,000円前後(※サイトロンジャパンによる予想価格であり、実売価格とは異なる)
  • 発売日:5月30日(金)
  • その他:太陽観測用アクセサリーとキャリングケースが付属しない「スタンダードパック」も同日発売。取り扱いは、天体望遠鏡専門店およびサイトロンジャパン直営店のみ(※三脚や太陽観測用アクセサリーの個別販売はない)。
■「Hestia アルティメット・パック」パッケージ内容
  • Hestia本体
  • 三脚
  • 太陽観測用アクセサリー(太陽フィルター、シェード、太陽ポインター)
  • キャリングケース
■「Hestia スタンダードパック」パッケージ内容
  • Hestia本体
  • 三脚
  • ダストカバー

アルティメット・パックとスタンダードパック
(左)Hestia アルティメット・パック、(右)Hestia スタンダードパック

■ 製品特長

全く新しいコンセプトの天体観測・撮影光学システム
  • スマートフォンで太陽や月などの天体を観測・撮影するための革新的な光学システム。スマートフォンを装着すると、内蔵された光学系により像を25倍に拡大。月や太陽(※)など、天体のディテールまで鮮明にとらえて写すことができる(※太陽の観測は「アルティメット・パック」のみ対応)。
  • Hestia専用に開発されたアプリ「Gravity by Vaonis(グラヴィティ・バイ・ヴァオニス)」は、 iOS、Androidに対応し、無料で利用できる。日本語にも対応し、わかりやすい使い方ガイドにより、だれでも簡単に天体の観測・撮影が可能。撮影条件の詳細設定や、惑星・ディープスカイオブジェクト観測のための導入アシスト機能も装備。
  • 一般的な望遠鏡のように長くて重い形状ではなく、本のようなコンパクトサイズで、重さもわずか約850gと軽量で、どこにでも気軽に持ち出せる。

コンパクトサイズ

被写体に最適化された各撮影モード
  • アプリのガイドにしたがって手持ちのスマートフォンをHestiaに装着し、アプリの撮影モードを選択すると、対象に最適な操作画面が表示される。充実した動画チュートリアルに従って、だれでも簡単に天体撮影ができる。
  • 月モード:月のクレーターや満ち欠けを観測、撮影してその美しさを堪能できる。
  • 太陽モード:黒点などの太陽活動(※)を安全に観測できます。日食の撮影にも対応(※太陽の観測は、アルティメット・パックのみ対応)。
  • 風景モード:Hestiaをスマートフォン用超望遠レンズとして使用できる。
  • ディープスカイモードと惑星モード:太陽系の惑星や、一部の明るいディープスカイオブジェクト(DSO)を観測・撮影可能(※ディープスカイオブジェクト(DSO)とは、銀河・星雲・星団など太陽系外の天体を指す。HestiaおよびGravity by Vaonisアプリは、一部の明るいディープスカイオブジェクトや太陽系惑星の導入アシストおよびスタック撮影に対応しているが、観測の可否や画質は使用するスマートフォンの性能に依存する。対応端末の詳細は、以下または「Hestiaに対応しているスマートフォンについて」を参照のこと。なお、自動導入や自動追尾には対応していない。そのため手動の操作となるが、アプリが天体の方向を青い光で指し示してガイドするので、だれでも目指す天体を見つけることができる。

被写体に最適化された各撮影モード

未来に向けて、長く使える設計
  • Hestia自体は純粋な光学系システムで、電気部品を一切使用していない。電源やバッテリーも使わないため電気的な故障の心配がない。今後のスマートフォンの進化により、さらなる高画質の観測や撮影なども期待できる。

長く使える設計

■ Hestiaに対応しているスマートフォン

Hestiaの使用可否は、スマートフォンのOS(オペレーティングシステム)により異なる。

iPhoneを利用の場合

  • 太陽&月の観測・撮影:iOS16以上のiPhoneまたはiPhone8以降のモデル、iPhone SE 第2世代/第3世代
  • ディープスカイオブジェクトの観測・撮影:iPhone 13以降のモデル、iOS15以上のiPhone SE 第2世代/第3世代

※iPadは非対応。

Androidスマートフォンを利用の場合

  • 太陽&月の観測・撮影:「Gravity by Vaonis」アプリをGoogle Playストアからダウンロードできる機種が対応している
  • ディープスカイオブジェクトの観測・撮影:以下のモデルが対応:
    • SAMSUNG:Galaxy S20 以降(Galaxy S22 Ultra、Galaxy S23 Ultra など)
    • Google:Pixel 5、Pixel 6、Pixel 7 以降
    • XIAOMI:Xiaomi 12、Xiaomi 13 以降
    • OPPO:Find X3、Find X5、Find X6 以降

※タブレットやChromebookは非対応。

■ 主な仕様

  • レンズ径:30mm
  • 倍率:×25
  • レンズ構成:3群6枚
  • 視野角:1.8°
  • 限界等級:7-8等
  • 質量:約850g(Hestia本体のみ)
  • 寸法:約17×24×5.5cm
  • 対応する画像フォーマット:JPEG
  • 三脚:同梱(パン/チルトフルード雲台付き。三脚ネジ:3/8-16UNC)
  • 観察に対応する天体:月、太陽、明るいディープスカイオブジェクト(ディープスカイオブジェクト観測の可否および画質は、使用するスマートフォンの性能に大きく依存する。対応するスマートフォンの詳細については、「サイトロンジャパン/Vaonis Asia Pacificのサイト」を参照のこと)。

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