X線突発天体監視速報衛星「こよう」、打ち上げ成功

このエントリーをはてなブックマークに追加
日本時間12月2日未明、金沢大学が開発したX線突発天体監視速報衛星「こよう」がスペースX社のファルコン9ロケットで打ち上げられた。

【2023年12月4日 金沢大学理工研究域先端宇宙理工学研究センターJAXA

X線突発天体監視速報衛星「こよう(KOYOH)」が、日本時間12月2日3時19分に米・カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から米・スペースX社のファルコン9ロケットによって打ち上げられた。打ち上げ19分後の3時38分に「こよう」は正常に分離され、打ち上げは成功した。

「こよう」の打ち上げ
X線突発天体監視速報衛星「こよう」の打ち上げ(提供:SpaceX

「こよう」は質量約50kg、大きさが一辺50cmの立方体の形をした超小型衛星で、金沢大学理工研究域先端宇宙理工学研究センターの衛星プロジェクト「Kanazawa-SAT3」(Study and Training in Space Science and Technology for Kanazawa Cube-Satellite)の初号機として、学生が主体となって開発された。広視野X線撮像検出器(T-LEX; Transient Localization Experiment)とガンマ線検出器(KGD; Kanazawa-SAT3 Gamma ray Detector)の2つの機器を搭載しており、重力波を伴うガンマ線バーストなどの突発天体をX線で撮像観測して、その発生時刻や発生方向を同定し、その情報をほぼリアルタイムで国内外の地上・宇宙の観測施設へ通報して、重力波源である電磁波対応天体のタイムリーな追観測を可能にする。

「こよう」の観測機器
「こよう」に搭載されている2つの観測機器。(左)広視野X線撮像検出器「T-LEX」、(右)ガンマ線検出器「KGD」(提供:金沢大学、以下同)

「こよう」を生み出した「Kanazawa-SAT3」では、宇宙理工学分野の学生が主体となって超小型衛星の開発・試験・運用に携わることで、今後世界が突入するであろう宇宙時代を担う人材の育成の目指すという、宇宙開発分野における重要な目標を掲げている。このあと「こよう」では、地上との通信の確立に続いて、システムの動作確認が行われたあと、人工衛星の運用という学びの場が学生たちに与えられる。

「こよう」と開発メンバーの写真
「こよう」と開発メンバーの集合写真

衛星の名称である「こよう」は漢字では「黄陽」と書き、「夕日が海の向こう側に沈んでいくとき、海面上にできる一本の光の道筋」を表している。同衛星が観測する重力波源からの重力波が波として宇宙空間を伝わる様子と、海面を揺らがせる波の景色が類似していることから命名された。

「黄陽」のイメージ写真
「こよう」の名前の由来である「黄陽」のイメージ写真

関連記事