星や星座にちなんだ海底地形名が追加
海底には、陸上と同じように山(海山)や谷(海底谷)、盆地(海盆)など様々な地形がある。これらの海底地形の名称について標準化を図るため、海上保安庁では1966年から海洋調査機関や関係学会等の有識者を招いて「海洋地名打合せ会」を開催し、2001年からは「海底地形の名称に関する検討会(JCUFN)」として、海図に記載する海底地形の名称について検討している。
国際的には、国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)との共同プロジェクトである大洋水深総図(GEBCO)において、海底地形名称の統一が行われている。各国が提案した海底地形名称は、海底地形名小委員会(SCUFN)によってその妥当性が審議され承認される。このほど、2018年10月にニュージーランドで行われたSCUFNの会議において、日本が提案したものから73件の名称が承認されたことが発表された。
承認された73件の名称は沖ノ鳥島南方と南鳥島南方に位置する地形に付けられたものだ。このうち、沖ノ鳥島周辺の地形には「東木星海山」や「赤星海脚」など惑星や星の名前にちなんだ名称と、「おひつじ座海山」「ふたご座海山」など星座名にちなんだ名称が合計35件付けられている。以前より「土星海山」「すばる海山」など惑星や星にちなんだ名称が周辺の地形に付けられてきており、今回はそれに追加された形だ。
沖ノ鳥島周辺の海底地形名。白縁の地形名が2018年の会議で日本が提案したもの、黄縁の地形名は以前より承認されていたもの。画像クリックでそれぞれ表示拡大(出典:IHO)
一方、南鳥島周辺の地形名としては鳥や海洋生物、海洋調査等に功績があった故人にちなんでつけられた名称が承認されている。
今回承認された地形名を加えると、日本が提案し承認された海底地形の名称は累計で500件を超える。これらの地形名は世界中に周知され、地図・海図や論文に使用されるものとなる。
2018年の会議で日本が提案し承認された地形名(星、星座関連)
東木星海山 / 南木星海山 / 北天王星海山 / 天海海底崖 / 天海海盆 / 海冥海底崖 / 冥王星海膨 / 四三の星海盆 / そえ星海底崖 / けんさき星海底崖 / 北辰海盆 / おひつじ座海山 / おうし座海山 / ふたご座海山群 / しし座海山 / おとめ座海山 / てんびん座海陵 / いて座海山 / やぎ座海山 / みずがめ座海山 / くじら座海山 / こいぬ座海山 / おおいぬ座海山 / とも座海山 / らしんばん座海嶺 / からす座海陵 / うさぎ座海嶺 / 南西けんさき星海山 / 赤星海脚 / 北風早星海山 / 石炭袋海山 / 西八幡星海山 / 波浮星海山 / 波浮星海嶺 / 北十市星海山群(以上35件、加えて、西天王星海山を修正)
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〈参照〉
- 海上保安庁:日本提案の海底地形名を国際会議が承認
- SCUFN-31:Proposals (76) from Japan, JCUFN 2018年の会議で日本が提案した名称一覧
- 議事録 4.6(4ページから)に日本の提案の採否結果
〈関連リンク〉
- 海底地形の名称に関する検討会 「承認された海底地形名称」ページで表記や由来を表示
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