40光年彼方に地球サイズの7惑星

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みずがめ座の赤色矮星「TRAPPIST-1」の周囲に、地球サイズの惑星が7つ発見された。1つの星の周りに地球サイズの惑星がこれほど多く見つかったのは初めてのことだ。7つのうち3つはハビタブルゾーン内に位置している。

【2017年2月23日 NASAESO

みずがめ座の方向約40光年彼方に位置する恒星「TRAPPIST-1」には昨年5月に、3つの系外惑星が見つかっていた(参照:アストロアーツニュース「超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見」)。

ベルギー・リエージュ大学のMichaël Gillonさんたちの研究チームがヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡「VLT」やNASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」などによって、惑星がTRAPPIST-1の手前を通過して主星が暗くなる様子(トランジット)を詳しく観測したところ、この星には惑星が7つあることが明らかになった。1つの星の周りに7つもの系外惑星が見つかったのは最多(タイ)記録だ。

TRAPPIST-1の周辺星図
TRAPPIST-1の周辺の星図。約19等と非常に暗い(「ステラナビゲータ」で星図作成)

スピッツァーの観測データの解析から惑星の大きさが測定され、7惑星すべてが地球サイズであることがわかった。さらに内側の6つについて質量や密度を推定したところ、すべて岩石惑星らしいことが示された。

TRAPPIST-1系の惑星のデータと太陽系の地球型惑星との比較
TRAPPIST-1系の惑星のデータと太陽系の地球型惑星との比較(TRAPPIST-1系の惑星の色や模様はすべて想像)。それぞれの天体について、公転周期、中心星からの距離、半径(地球=1)、質量(地球=1)。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/R. Hurt, T. Pyle (IPAC))

7つの惑星すべてに液体の水が存在する可能性があり、とくにそのうち3つはハビタブルゾーン(惑星表面で水が液体で存在しうる範囲)に位置しているため可能性がさらに高いという。中心星であるTRAPPIST-1は、質量が太陽の8%ほどで表面温度は摂氏2300度程度という超低温の赤色矮星だ。そのため、中心星から遠く離れると水が凍ってしまうので、水が液体の状態であるハビタブルゾーンは中心星に非常に近いところになる。

TRAPPIST-1系と太陽系それぞれの惑星の軌道
TRAPPIST-1系と太陽系それぞれの惑星の軌道の比較。TRAPPIST-1系ではe~gが、太陽系では金星・地球・火星がハビタブルゾーンに位置する。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Caltech)

また、惑星が中心星に非常に近いところに存在しているため、潮汐力によって惑星の自転と公転が同期しているかもしれない。その場合、惑星は常に同じ面を中心星に向けていることになり、昼夜の入れ替わりがなくなってしまう。すると、昼側から夜側に向かって強い風が吹くなど、地球とは全く異なる気象となるだろう。

TRAPPIST-1 fの想像図
発見された惑星の一つTRAPPIST-1 f(内側から5つ目)の想像図。惑星の様子と共に、中心星や他の惑星が描かれている(提供:NASA/JPL-Caltech/T. Pyle (IPAC))

今後の観測では、とくに惑星の大気の存在やその成分を調べることで、液体の水や生命の存在可能性についてさらに詳しく迫ることになるだろう。2018年打ち上げ予定のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡では、水やメタン、酸素、オゾンなど惑星の大気を構成する様々な成分を調べ、さらに惑星の温度や表面の圧力など、生命が存在できる環境かどうかに関する鍵となる要素も分析する予定だ。

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