大西さん、2度目のISS長期滞在から無事帰還

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国際宇宙ステーションでの長期滞在を終えた大西卓哉さんら4名の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「クルードラゴン」が8月10日、米・カリフォルニア州サンディエゴ沖に無事着水した。

【2025年8月12日 JAXA

今年3月から国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた大西卓哉さんと3名の宇宙飛行士が搭乗した米・スペースX社の「クルードラゴン(クルー10)」は、日本時間(以下同)8月9日7時15分にISSから離脱した。

その約17時間半後、クルードラゴンは大気圏に再突入してパラシュートを展開し、10日0時33分に米・カリフォルニア州サンディエゴ沖に着水した。回収船に引き上げられた後、メディカルチェックを終え姿を現した大西さんは手を振って元気な様子を見せた。

クルードラゴン
(上)着水した瞬間のクルードラゴン、(下)回収船のクレーンで引き揚げられたクルードラゴン(提供:(上)NASA/Keegan Barber/(下)JAXA/NASA

手を振る大西さん
手を振る大西さん(提供:NASA/Keegan Barber

今回の大西さんのISS滞在日数は145日で、2016年の1回目の滞在と合計すると通算ISS滞在時間は258日となり、日本人宇宙飛行士としては5番目の長さとなった。

4日に油井亀美也さんがISSに到着して長期滞在を開始した際、大西さんと油井さんとの間で引継式が行われた。このときに大西さんは今回の滞在を振り返り、「船外活動が達成できず残念だったが、船長としての任務を遂行し、チーム一丸となってミッションを安全に遂行できたことに非常に満足している。地球帰還後は、地上から油井さんのISS滞在を支えたい」と語っている。

引継式のようす
引継式でミッションを象徴する青いタスキを渡した大西さん(左)とそれを引き継いだ油井さん(右)(提供:JAXA/NASA

《宇宙航空研究開発機構 山川宏理事長談話(抜粋、要約)》

大西宇宙飛行士は、今回2度目となるISSでの長期滞在において、日本人3人目のISS船長として、安全確保を含めてISS搭乗員全員を統括し、指揮を執るという重要な役割を担いました。

また、“「きぼう」にできる、ぜんぶを。”をミッションテーマに掲げ、フライトディレクタの経験を活かし、地上の管制チームや研究者と密接に連携しながら、細胞における重力感知メカニズムの解明を目指すライフサイエンス実験など、地上社会へ成果を還元する多くの宇宙実験を実施しました。

帰還後は、ISS滞在中に得た経験をISSでたすきを渡した油井亀美也宇宙飛行士の活動、他のJAXA宇宙飛行士の訓練にも還元し、更にポストISS時代に向けた地球低軌道における活動の更なる発展や国際宇宙探査に向けた技術開発、国際協力の促進に反映してくれることを期待しております。

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