2021年12月 レナード彗星が5等前後
16日ごろからは夕方の南西の低空に見えるようになる。12月前半までの観測を元にすると明るさは5~6等ほどと予想されていたが、15日ごろにバーストを起こして3等前後になっているとの情報もある。その後も複数回のバーストを起こしたようだ。
日の入り1時間後の高度が10度未満と低いが、空気がよく澄んでいれば双眼鏡を使うと見える可能性がある。金星との位置関係などを参考にして、観望や撮影に挑戦してみよう。
夕方の見え方(場所の設定は東京)。上は背景の星座に対する位置を表し、下は日の入り45分後の高度を表す。彗星は模式的に表現している。星図はステラナビゲータで作成(以下同)。画像クリックで表示拡大
12月後半~1月の赤道座標の星図。日付横の括弧内は予想等級。彗星は模式的に表現している。画像クリックで表示拡大
※星図中の予想等級は12月16日時点のものです。COBSの観測データや吉田誠一さんのウェブページの情報などに基づいて計算しています。
(以下は12月前半の概況です)
12月ごろ、レナード彗星(C/2021 A1)が明るくなると予想されている。
12日ごろまでは未明から明け方の東の空に見える。6等台から4等台まで増光するとみられ、空の条件が良いところなら双眼鏡を使うと比較的容易に見つけられるだろう。6日前後にはうしかい座のアルクトゥールスが目印になりそうだ。12日23時ごろに地球と最接近し(0.2334au、3491万km)、このころには1日あたり約10度と非常に高速で天球上を動いていく。
明け方の見え方(場所の設定は東京)。左は背景の星座に対する位置を表し、右は日の出1時間前の高度を表す。彗星は模式的に表現している。画像クリックで表示拡大
〈関連リンク〉
- COBS:C/2021 A1 (Leonard)
- 吉田誠一のホームページ:レナード彗星 C/2021 A1 ( Leonard )
- 星空ガイド
- 天体写真ギャラリー:彗星・小惑星・準惑星
- 天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」 最新の情報に対応して彗星の見え方を再現
- 天体画像処理ソフト「ステライメージ」 彗星の移動に合わせて画像を合成するメトカーフコンポジット機能
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